都会から離れた山奥や離島などを訪れると、空気が澄んでいるうえ、いわゆる“光害”と無縁なため、驚くほど明るい天の川や降るような満天の星空が楽しめる。その美しさを記録したいと思っても、一般のデジタルカメラやスマートフォンではノイズだらけの画像になったりして難しい。
そんな悩みを解消しようと、あるプロ写真家が天体写真の撮影に特化した小型デジカメ「Tiny1」を開発した。現在クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中。
Tiny1は、サイズが113×69×22mmで、タッチパネル付き4.3インチ画面を搭載しており、まるでスマートフォンのように使えるカメラ。心臓部の撮像素子は、3分の1インチの裏面照射型COMSセンサ。
画素数を400万画素に抑えることでピクセルサイズを2ミクロンと大きくするとともに、独自のノイズ軽減アルゴリズムを採用することで、暗い星空をノイズの少ない画像で撮影できるようにした。さらに、放熱性の高いアルミニウム製ボディも熱に起因するノイズの軽減に貢献するという。
長時間露光をすることが多いため、三脚に直接取り付けられるよう底面に4分の1インチのねじ穴を設けてある。CSマウントのレンズが装着可能なので、市販されている多種多様なレンズが選べる。アダプタを用意すれば、天体望遠鏡にも取り付けられる。
開発チームは、ニコンやキヤノン、ソニーといったメーカーのレンズを使うためのアダプタを開発する予定。
無線LAN(Wi-Fi)でスマートフォンと接続すると、専用アプリでさまざまな操作ができる。レリーズ操作の際Tiny1に触れる必要がなく、振動でブレさせずに済む。静止画のほか、ビデオやタイムラプス映像の撮影も可能。さらに、Tiny1をかざした方向に応じて星座の情報などを表示する、拡張現実(AR)対応の星空ガイド機能も備える。
Indiegogoでの目標金額は10万ドル。記事執筆時点(日本時間6月7日12時)でキャンペーン期間は1カ月残っているが、すでに目標を上回る約12万9000ドルの資金を集めている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス