新型Apple TVの噂、ジョブズ氏のタイプカプセル--松村太郎のApple一気読み

 2月10日~2月16日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 Apple関連のニュースは少なめ。オリンピックで繰り広げられる連日の熱戦、そして日本では再び大雪、米国西海岸では深刻な渇水からの改善にわずかな希望をもたらす雨が少々降る──という状況だった。それではさっそく、ニュースを振り返っていこう。

Apple TVと米国のテレビ事情

 オリンピックは世界中の注目が集まるスポーツの祭典だ。自国だけでなく、世界中の選手の最高のプレーに息を飲んで観戦する。日本ではテレビ放送とこれを携帯機器で視聴できるワンセグに加えて、オリンピック映像をスマートフォンやタブレットさえあれば視聴できる環境が整ってきた。

 しかし筆者の住む米国では、アプリさえ入れれば視聴できるという環境にはなっていない。ケーブルテレビに契約していることを前提に、ライブのストリーミング中継やアーカイブ映像をアプリから見られる仕組みだ。ケーブル契約なしで見る方法を色々と調べたが、大きな画面で高画質で快適に、という方法は結果的になかった。しぶしぶ、羽生選手の金メダルが決まる1時間前にケーブルテレビを契約して、観戦するに至った。

 2012年から噂のあるApple製のテレビだが、テレビそのものを作り出すよりも、こうしたケーブル契約が前提のチャンネルをインターネット経由で見られるようにすることから着手するのではないだろうか。4月に新型Apple TVのリリースが予測されるが、ここではケーブルテレビ会社をパートナーに迎え、Apple TVとインターネット回線を活用したテレビ視聴を可能にするのではないか、と見られている。

 そのパートナーの有力候補であるTime Warner Cableは、Amazon Kindle FireやRoku、Xbox、Samsungのスマートテレビなどにアプリが導入されており、ライブとオンデマンドの動画視聴が楽しめるようになっている。Appleも、最近アップデートごとにホーム画面にアイコンが増えており、ストリーミングを行っているサービスやケーブルテレビのチャンネルもラインアップされてきた。

 インターネットを介して月額料金でストリーミングが楽しめるサービスもあるが、ケーブル局のチャンネルはやはりケーブルテレビ契約を前提にしかサービスを行っておらず、有料でもいいからそのチャンネルを見たい、というニーズは叶えることができていない。

 Appleがテレビに関して取り組むとしたら、Apple TVによるチャンネル単位の試聴に向かうのではないかと予測する。その前に、まずはこれまでのケーブルテレビ会社をApple TVと組み合わせることから始めるのではないだろうか。ちなみに番組単位の試聴は、すべてではないが、iTunes Storeでの購入やレンタルで実現している。

新型「Apple TV」、4月に発表か(2/13)

スマートフォンシェアとAppleのポジション

 2013年、世界におけるスマートフォンのシェアは、Androidが8割を占めるという結果となった。これまで報じられてきた調査内容とは大きく変化がない。Android、iOSの2強が当面続くとみられている。Firefox OSやTizenといった新たな勢力もさほど注目を集める段階にはなく、スマートフォン初期に反映を築いてきたBlackBerryは40%の減少。PCで覇権を取っているMicrosoftのWindows Phoneは90%の伸びを見せているものの、市場全体の成長スピードの中では全体のシェアを大きく伸ばすほどではない。

 スマートフォンのプラットホーム全体を見ると、今後も同様の傾向が続いていくものとみられるが、iOSはiPadの牽引もあり、法人市場で優位に立っている。

 Good Technologyのデータによると、エンタープライス市場においてアクティベーション数を比較すると、54%をiOSが占めており、Androidはその半数の26%だったという。全般的に、企業向けのカスタムアプリが成長しており、iOSがプラットホームとして選ばれている傾向にあるという。

2013年世界スマートフォン市場、「Android」シェアは8割--IDC調査(2/13)
「iOS」、法人市場で優位を維持--Good Technology調査(2/13)
「iPhone 6」はベゼルなしに?--指紋スキャンも対応か(2/13)

ジョブズ氏のタイプカプセル

 AppleにはTime Capsuleというバックアップ向けの製品があるが、Jobs氏の愛用品が納められたタイムカプセルが、このほど30年ぶりに発掘された。かつてSteve Jobs氏が使っていたAppleのコンピュータ、Lisaのマウスが、1983年のInternational Design Conferenceで埋められた「Aspen Time Tube」に寄贈された。他にも参加者からさまざまなものが寄せられたが、「JobsのTime Tube」という愛称が定着したという。

 30年前のことで、埋められた正確な場所がわからなくなっていたが、National Geographicの番組の企画で発掘を行い、無事に発見し取り出されたという。講演の中ではLisaを用いてiPadのようなデバイスの話やApp Storeなど、ちょうど現在のコンピュータの世界を予見していたと言われており、講演で利用したマウスがタイムカプセルに納められた。

ジョブズ氏のタイムカプセル、30年ぶりに発掘した際の動画が公開(2/13)
S・ジョブズ氏のタイムカプセル--30年ぶりの発掘を写真で振り返る(2/13)

サプライチェーンの労働環境に対する責任

 Apple製品が中国で組み立てられていることは知られているが、部品1つずつを供給する企業やその生産を担当する工場に至るまで、すべてのサプライチェーンの労働環境に対して透明性を持たせ、基準を満たしていることが責任として求められている。

 Appleは、2013年のサプライチェーンに関する年次報告書を発表し、Appleによる監査の回数の増加や、労働者の権利に関する教育を受けた人数の増加を伝えている。またAppleのサプライチェーンでは、労働者の不当な扱いをしないこと、自動就労の禁止、結社の自由という3分野で最も優れた成果を残している。

 しかし差別禁止ポリシーについて、また若年労働者の保護、福利厚生ポリシーについては改善の余地がある。


アップル、サプライチェーンに関する年次報告書を発表(2/14)

その他

アップル、「Mac Pro」の出荷予定日をまたもや延期(2/12)
C・アイカーン氏、アップルの自社株買い提案を撤回(2/12)
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