IHS iSuppliが「iPhone 5」を分解した記事で示すように、Appleは最新のiPhoneで、従来の部品サプライヤーの大半と関係を継続しているが、一部で「重要な変更」を行い、ほとんどのチップを新しくしている。
IHSが米国時間9月25日に公開した実機の分解調査は、Appleが常連のサプライヤーの多くから納入された部品を使っていることを示している。具体的には、サムスン、Qualcomm、Broadcom、村田製作所、Dialog、Texas Instruments、STMicro、Cirrus Logic、Avago、Skyworks、NXP、旭化成エレクトロニクス(AKM)といった顔ぶれだ。
だがAppleは、フラッシュメモリメーカーのSanDiskなど数社を加えたほか、ほぼすべての部品にアップデートを施した。さらに、IHSによるサプライヤーリストは、サムスンへの依存度が減少していることも示している。サムスンはチップと携帯電話のメーカーであり、これまでAppleと法廷で争い続けている。
IHSのアナリストであるAndrew Rassweiler氏は、プレスリリースの中で次のように述べた。「iPhone 5は、部品サプライヤーに関して『iPhone 4S』と相当な類似性を示している。しかし、表面上の類似性の奥には、ユーザー体験を改善する本格的なアップグレードを可能にする、製品デザインと部品への重要な変更が認められる」
そうした変更には、ディスプレイの大型化やアプリケーションプロセッサの高速化が含まれる。さらに、Qualcomm製の4G LTEチップの採用も挙げられるが、この部品はiPhone 5の設計に大きく関係している。LTEはより複雑なため、AppleはiPhone 5の2種類のモデルを製造し、通信事業者各社に合わせて納入する必要があった、とIHSは述べている。これに対しiPhone 4Sでは、Appleが出荷したモデルは1種類だけだった。
IHSがiPhone 5発売前の9月18日に公開した使用部品予想では、Appleが同端末の16Gバイト版を製造するのにかける原価は199ドルで、iPhone 4Sより少し高くなるとみていた。IHSは今回のプレスリリースで、実機の分解調査で予想原価が正しかったことを確認したと述べている。一方、iFixitとChipworksが実施したアプリケーションプロセッサ「A6」の分解調査で、A6はAppleが初めてカスタム設計したプロセッサであることが示されている。ARM Holdingsの命令セットに基づくA6は、プロセッシングコア2基とグラフィックスコア3基を搭載する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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