フェンリルは11月16日、ウェブブラウザ「Sleipnir 3 for Windows」の正式版を公開した。マウス操作でタブをなめらかに切り替えられる新機能「TouchPaging」を搭載し、これまでのWindows向けブラウザにない“リッチな操作感”をアピールする。
ブラウザ上で右クリックを押しながらマウスカーソルを左右させることで、なめらかなタブ切り替えを実現。上下操作でも、スムーズなページスクロールが可能となった。また、右クリックを押しながら、マウスカーソルで特定の軌跡を描くことで、タブの開閉や更新、フルスクリーン表示などのジェスチャー操作を実現する。操作方法に関しては、すでにスマートフォン向けに実装されているジェスチャーとほぼ合わせるかたちとなっており、スマートフォン版ユーザーはすぐにでも直感的な操作ができる。
また、アドレスバーと検索バーを統合、タブについては、スクリーンショットも表示するなど、UIを旧版から一新。数多くのタブを管理できるよう、マルチスレッド化を実現してパフォーマンスを大きく改善。タブを色と名前でグループ化できる「タブグループ」機能なども実現している。
また、Mac OS XやiOS、Android向けのSleipnirとブックマークを自動で同期する「Fenrir Pass」にも対応。さまざまな環境で同じブックマークを利用できる。
リリース日となる11月16日は、実はフェンリルにとって大きな転機を迎えた日なのだという。2004年11月16日、当時個人でSleipnirを開発していた代表取締役社長の柏木泰幸氏は、ソースコード一式を入れたPCの盗難にあった。それを契機にSleipnir2の開発を表明。フェンリルを立ち上げるに至った。
Sleipnir 3 for Windowsは、開発を表明してから3年かけてのリリースとなった。これについてフェンリルでは、開発表明後にレンダリング速度の競争になり、オープンプラットフォームでのアドオン提供といったトレンドが出てくる中で、一度完成した仕様書を白紙に戻し、改めてインターフェースの「リッチさ」、タブ周りなどのこだわりの機能の「パワフルさ」を意識して開発を進めたとブログで説明している。
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