セコムは7月11日、ネットを活用した新型ホームセキュリティシステムを12月に発売すると発表した。健康保険証や家族写真などの個人情報データを預かる家庭向けサービスや、ホームセキュリティを契約している家族や親戚間で写真や伝言を共有できるサービスを提供する。
新型のホームセキュリティシステムでは、10.4インチのタッチパネルを搭載するホームコントローラを採用。家族と伝言を共有できる「伝言板機能」や撮影した写真を閲覧できる「フォトフレーム機能」を新たに搭載し、家族間のコミュニケーションツールとしても使用できるようになった。2012年以降には、現在企業向けに提供している、エネルギー使用状況を確認できるサービス「セコム・エコデータシステム」を家庭向けに提供する予定。
また、従来のホームセキュリティ機能に加え、個人情報をデータで預かる「データおあずかりサービス」(仮称)を提供する。登録できる情報は、運転免許証などの身分証明書や緊急連絡先、服用している薬の処方箋、家族の写真など。個人情報をあらかじめ登録しておくことで、万が一災害などで紛失してもデータとして確認できる。
セコム代表取締役社長の前田修司氏は、東日本大震災の発生当時「家族の電話番号が分からず安否確認が遅れた」、「自分がどのような薬を服用していたか分からない」といった声が多く聞かれたことから、このサービスの開発にいたったと語る。「セコムではホームセキュリティで何かできないかをこの4カ月ずっと考えてきた」(前田氏)
ホームコントローラに内蔵されているカメラやデジタルカメラで撮影した画像によって個人情報を登録する。データは2Gバイトまで無料で預けることができる。登録された情報は、セコムトラストシステムズが運用する「セキュアデータセンター」で管理されるという。
さらに、ホームセキュリティ間で情報を共有できる機能も搭載。家庭内の指定した場所に人の動きを感知するセンサーなどを設置し、遠隔地にいる高齢の家族の様子を確認できる「遠隔ライフ監視機能」や、ホームセキュリティ間で家族や親戚と画像や伝言を共有できる「データ共有機能」を提供する。
そのほか、セコムが提供するさまざまなサービスをホームコントローラ上から申し込める「ALL SECOMサービス」(仮称)や、セコムがタイアップした企業の情報や日常生活に役立つサイトをホームコントローラに表示する「マイページサービス」(仮称)も提供するとした。
基本料金は、家庭内に設置するセンサーの数や部屋の広さなどによって異なるが、現在セコムが4LDK~5LDKの戸建てタイプの家庭に提供している「カスタムタイプ」に近い月額6500円前後になる予定。既存顧客がこのホームセキュリティシステムを利用するには、システムの載せ替えが必要になる。前田氏は「1年で10万台は販売したい」と目標を掲げた。
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