Ars Technicaの記事によると、Microsoftが「Windows 8」におけるコーディングについて、使い慣れたプログラミングツールに別れを告げてHTML5とJavaScriptベースに移行する姿勢を示したことに開発者たちは「恐れを抱いている」という。
この記事を執筆したPeter Bright氏は、MicrosoftのバイスプレジデントJulie Larson-Green氏が米国時間時間6月1日にD: All Things Digital(D9)カンファレンスで行ったWindows 8のデモについて触れ、このデモの動画が始まってから数分後の発言に注目するよう促している。Larson-Green氏は、次期OSのWindows 8で動く新しいアプリケーションについて、「このアプリケーションは、HTML5とJavaScriptをベースにした当社の新しい開発プラットフォームで作成されている」と述べたのだ。
この発言を受けて、Ars Technicaの記事は、Windows 8の開発者が十分な機能を備えたコーディングツールとしていつも使っている「Visual Basic」「.NET」「Silverlight」などの開発環境を捨て、機能がはるかに限られていると考えられているHTML5とJavaScriptを利用しなければならなくなるという予測を示した。このことは、開発者が従来のプログラミングツールの学習と使用にこれまで費やしてきた時間が無駄になり、それによって得た知識や経験が生かせなくなることも意味している。
新しいOS向けのコーディングのために、今使っているプラットフォームを放棄して機能的に劣ると思われるツールを使用しなければならないとしたら、開発者が動揺するのも理解できる。だが、開発者が「恐れを抱いている」とするArs Technicaの見解は、現時点では話を大げさにしすぎているように思える。Microsoftがこの件についてはっきりとした態度を示していないことを考えれば、このような反応も理解できるものではあるが。
実際、Ars Technicaの記事でさえ最終的には、Microsoftが多くのWindows開発者を窮地に陥れることはないだろうと認めている。
「この件に関するMicrosoftのメッセージとPRはやや非常識で、開発者の反応は理にかなったものだが、Microsoftが大規模な開発者基盤をないがしろにして、これまで学んできたことをすべて捨て去るように強制するようなことはないだろう。Windows 8では新しいAPIが提供されるだろうが、開発者がそれを利用するためにウェブページを書かなければならないようなことは起こらないだろう」とArs Technicaは述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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