Googleは、自らが開発しているウェブ向け動画エンコーディング技術「VP8」について、動画エンコーディング機能を強化した新バージョンをリリースするとともに、次四半期をめどにさらなる改良を加えた次期バージョンを発表する予定を明らかにした。
Googleは米国時間3月8日、VP8の「Bali」バージョンを公開するとともに、次期バージョンの「Cayuga」についても、2011年第2四半期の後半にリリースする計画を発表した。Googleによれば、動画のエンコードおよびデコード方法を定義するVP8技術そのものは、Baliにおいても変化がないが、2010年11月に「Aylesbury」の名で公開された以前のVP8よりも性能が向上しているという。
x86プロセッサを搭載したコンピュータでVP8の画質設定を最高レベルにして動画をエンコーディングした場合、「Baliの動作速度は最初のバージョンと比較して4.5倍、またAylesburyよりも1.35倍高速」だと、「WebM」製品マネージャーのJohn Luther氏はBaliに関するブログ投稿で述べている。また、中レベルの画質設定でも改善がみられる。さらに今回の新バージョンでは、ARMプロセッサ、とくにマルチコアのARMプロセッサ上での動作が向上している。ビデオ通話の利用が増え、スマートフォンやタブレットでARMプロセッサが優位を占めていることを考えれば、これは重要な点だ。
VP8は、音声コーデックの「Vorbis」とともに、ロイヤリティフリーでオープンソースをうたうGoogleのWebM技術の要素の1つとなっている。ただし、WebMで実際にどの程度特許の適用が免除されるのかはまだはっきりしておらず、特許ライセンス管理団体のMPEG LAは特許権者に対し、WebMの実装に必要と考えられる特許技術を持っているなら名乗り出るよう要請している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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