野村総合研究所(NRI)は7月31日、電子メールの送受信履歴を機械学習で自動分析し、誤送信を防ぐ技術を開発したと発表した。
今回発表された技術では、過去に送受信した電子メールの履歴を機械学習で分析し、あて先ごとの特徴を自動で認識できる。例えば、見積書などを添付したファイルを顧客に送信する際、メールの冒頭に書かれたあて名と、添付ファイルに書かれた顧客名が一致しているかどうかを自動で比較しチェックする。この時に誤送信と発覚した場合、メールサーバから「あて先確認メール」が届き、送信者はあて先を修正し再送信できるという。
同社によると、これまで誤送信を防止するには、あて先ごとのキーワードやルール設定、あて先と送信履歴の照合、送信前のメール保留などの方法が一般的だったという。しかし、この方法では、利用者にとって手間がかかる上に検知精度は十分ではなかったとしている。
機械学習エンジンは企業のメールサーバに搭載して利用する。これまでのフィルタリングエンジンのように利用者自らがあて先ごとにキーワードを入力するという手間が省け、より高精度なキーワード設定ができるとする。ただし、同社では、機械学習の効果を引き出すにはメールの蓄積と分析をする期間が必要としている。
NRIでは今後、企業の情報システムや既存の電子メールソフトと連携させ、実用的なサービスとして提供していくとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」