「Storm Worm」に感染した何百万台ものパソコン、というのはどれほどの計算能力を持っているのだろうか?セキュリティ対策企業MessageLabsの研究者Matt Sergeant氏によると、Storm Wormのボットネットが持つ計算能力は、現時点でIBMのスーパーコンピュータ「Blue Gene」を上回るという。「純粋に理論的な話として計算能力を計算すれば、ボットネットの方がIBMのBlue Geneよりも能力は高いと確信している。両者にチェスの対戦をさせれば、ボットネットが勝つだろう」と、Sergeant氏は語る。
オーストラリアのIT系ニュースサイトIT Newsも、「計算能力という点で、ボットネットはスーパーコンピュータをはるかに凌ぐ」というSergeant氏の発言を引用している。同氏はさらに、Storm Wormの感染が疑われる5000万台のパソコンのうち200万台だけでも、「スーパーコンピュータトップ500ランキング」に名を連ねるシステムを全部あわせたものと同等の計算能力を持つと述べている。
この数カ月間、ウイルス対策企業はStorm Wormの感染が増加しつつあると報告している。感染したコンピュータはスパムの中継に利用されることが多いが、ウェブサイトにいわゆるサービス拒否(DoS)攻撃を仕掛けるためにも利用できる。
Storm Wormの作成者たちにはボットネットをコントロールする力があるようだが、憂慮すべきはその制御能力の高さだ。Sergeant氏はIT Newsの取材に対して次のように答えている。「ボット作成者たちが何らかの実験を行っているらしい感染の急増を、われわれは目にした。通常の5倍から10倍にも達する急激な増加だ。つまり、彼らはいつでも好きなときにウイルスをばらまく能力があるということだ」
MessageLabsのスパムに関する月例報告に、Storm Wormに関するさらに詳しい情報が掲載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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