多数のスパムサーバが台湾に設置されていることがCipherTrustの調査により明らかになった。
電子メールセキュリティ企業のCipherTrustが2006年5月に実施した調査によると、迷惑メールを送信するマシンの64%が台湾に設置されていたという。次いで多かったのが米国の23%で、それに3位の中国(3%)が続いた。
またCipherTrustは、5月に世界で出回った迷惑メールのトラフィックが20%も上昇したことを明らかにした。同社によると、データは、おとりの「ゾンビ」コンピュータネットワークやそのほかの情報源を利用して収集されたものだという。スパム業者は通常、PC所有者の気付かないうちに攻撃され、操作されるようになった「ゾンビPC」のネットワークを利用して、迷惑メールを送出する。
CipherTrustはスパムメールが増加した理由を2つ挙げている。1つはBlue Securityのスパム撲滅活動が停止したこと。そしてもう1つは、スパマーらがフィルタを回避するために画像のみのメールを盛んに使用するようになったことだ。
サービスプロバイダーSix Apartが分散DoS攻撃を受けた後、Blue Securityはスパム撲滅活動を停止すると発表した。Blue Securityは、迷惑メールに返信するよう人々を促し、結果的に大量のメッセージがスパムサーバに返されるようにする「Blue Frog」活動を実施していた。
画像を利用したスパムは現在、フィルタを回避するためにスパマーらが最も頻繁に利用する方法の1つだ。テキストは、画像の中に埋め込まれる。それにより、スパムメールを検知する目的でメッセージ内の単語を解析するテキスト認識システムによる検知を逃れるのである。
「画像に埋め込まれたものが文字であるということを認識するためには、光学式文字認識技術を用いる必要がある。さもなければ、スパムなど検出できない」(Alperovitch氏)。
しかし、光学式文字認識技術をスパム対策システムに使うのは現実的でない。処理に時間がかかるうえ、精度も高くないからだと同氏は述べる。
またAlperovitch氏は、CipherTrustでは5月の調査で740万にものぼる新ゾンビコンピュータを確認したと述べた。そのうちのおよそ24%が中国のコンピュータで、9.4%が米国、7.4%がドイツに位置している。しかしスパムサーバの数は数千台に過ぎないと同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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