McAfeeが「Falcon」というコードネームを持つ新たなセキュリティソフトウェアを開発し、Symantecや、市場に新規参入するMicrosoftの新製品を迎え撃つ態勢を整えている。
McAfeeが米国時間5月30日に発表した声明によると、同製品では、McAfeeの現行のセキュリティ製品に搭載されている複数の機能が統合され、それらを管理するためのユーザーインターフェースも刷新されるという。カリフォルニア州サンタクララに拠点を置くMcAfeeは、Microsoftのセキュリティ市場参入を受けて、早晩こうした発表を行うのではないかと見られていた。
Falconは、スパム、ウイルス、スパイウェア、フィッシングおよびrootkitなどの脅威からPCを保護する製品だ。また、データ消失を防いだり、PCのパフォーマンスを最適化したり、無線ネットワークを安全化したりするためのツールも搭載されるという。同製品は今夏にもリリースされ、複数のバージョンが用意される見込み。
McAfeeの製品マネジメント担当ディレクターMarc Solomon氏は、「Microsoftの『OneCare』やSymantecの『Genesis』は、ユーザーのあらゆるニーズに対応するオールインワン型製品とうたわれている。だが、詳細な研究を実施し、多くの顧客に話を聞いた結果、1種類のバージョンだけでは、顧客の求めに常に応じられるとは限らないことがわかった」と、インタビューの中で答えている。
MicrosoftやSymantecと同様に、McAfeeはFalconを簡単に使えるセキュリティ製品として売り込んでいく方針だ。同社はこれをサービスとして提供し、ユーザーはサブスクリプション料金を自動更新していくというスタイルになる。MicrosoftのWindows Live OneCareおよびSymantecのGenesisも、同じくサブスクリプション形式で販売されることが明らかになっている。
「McAfeeは1999年からセキュリティ機能をサービスとして提供しているのだが、同分野を扱うようになったSymantecやMicrosoftは、これを新しいスタイルだと喧伝している。われわれはこれまでの経験から、どのような機能を搭載できるのか心得ている」(Solomon氏)
NPD GroupのアナリストChris Swenson氏は、McAfeeの新製品は総体的にすぐれていると述べ、「MicrosoftやSymantecの新たなサブスクリプションサービスにも十分対抗していくことが可能だろう」と展望を語った。ただし、McAfeeには価格帯をはじめとするより詳細な情報を発表してもらいたかったとも話している。
Microsoftの新規参入によって、消費者向けセキュリティソフトウェア市場はにわかにあわただしくなった。MicrosoftのOneCareは6月にリリースされる予定で、年間使用料は49.95ドルになるという。同製品は最大3台のPCで利用でき、ウイルスやスパイウェアなどの脅威からマシンを保護する。同社がOneCareに関する計画を明らかにしたのは、2005年5月のことだった。
一方のSymantecは、Microsoftの消費者向けセキュリティ市場参入をにらんで、OneCareやMcAfeeのFalconと同様の機能を多数搭載するGenesisを発表した。同製品は、9月末までに提供が開始される。なお、SymantecおよびMcAfeeは、新製品の価格帯をまだ公表していない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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