セキュリティ企業Sophosが発表した最新の調査によると、スパムメールの経由地として、アジアが他の大陸を抜いて第1位になったという。
Sophosは現地時間4月20日に調査結果を公表し、同社の全世界に広がるスパム監視ネットワークが受信したスパムメールのうち、42.8%がアジア経由のものだったと明らかにした。第2位は北米大陸で、全体の25.6%を占めている。
Sophosによれば、2年前にはスパムメールの過半数が北米大陸経由だったという。同社のシニアテクノロジコンサルタントであるGraham Cluley氏は、今では南米と北米の両大陸を合わせてもアジアにははるかに及ばないと語っている。
Cluley氏はさらに、ヨーロッパ経由のスパムメールも全体の25%と増加しつつあり、これは北米大陸に肩を並べる数字だと指摘したうえで、「ヨーロッパが5月に北米を追い抜いたとしても、私は驚かない」と述べた。
国別に見ていくと、第1位は依然として米国で、全体の23.1%を占めた。第2位の中国(香港を含む)が21.9%、第3位が韓国で9.8%だった。
中国ではMicrosoft Windowsの比較的古いバージョンを使用しているコンピュータが多く、これがスパムメールを増やす一因となっている。スパム送信者にとっては、古いバージョンのOSの方が悪用しやすいからだ。
また、韓国はハイテク関連のインフラストラクチャの整備が進んでいるうえ、ボットネットを構築した場合の金銭的見返りが大きいため、スパム送信者にとっては特に魅力的なターゲットだとSophosでは説明している。ボットネットとは、外部から乗っ取られたゾンビコンピュータによるネットワークを指す。
「韓国では高速回線の整備が進んでおり、素晴らしいインターネットのインフラがある。ボットネットをつくりたいと考えるスパム送信者にとっては宝の山だ」(Cluley氏)
コンピュータセキュリティに関しては、ZDNet UKも19日に調査結果を発表している。それによると、セキュリティ技術の進歩にもかかわらず、ITの専門家たちが企業のシステムをスパムメールやウイルスから守るために費やす時間には、ほとんど、あるいはまったく減少がみられないという。
「過去10ヶ月でトップ10にランクされたウイルスは非常に古いものばかりだ。これはつまり、人類はウイルスやスパムとの戦いに勝利を収めていないということだろう。ウイルスにまったく無関心な人たちが存在し、こうした人たちが他のコンピューターユーザーを攻撃するという構図だ」(Cluley氏)
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