反スパイウェア監視団体が、180solutionsと同社の提携企業1社を批判する内容の申立書を連邦取引委員会(FTC)に提出した。自らの監視/管理に取り組むアドウェア業界にとっては大きな打撃となる。
ワシントンDCに拠点を置く公益団体「民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology:CDT)」は米国時間23日、FTCに2通の申立書を提出した。CDTはその中で、アドウェアメーカーの180solutionsと無料ウェブホスティングサービスプロバイダのCJB.netの2社が、不公正かつ消費者を惑わすような事業活動を行っているとして、両社を非難している。
CDTの申立書によると、180Solutionsは、意図的にインターネットユーザーをだまし、迷惑な広告ソフトをダウンロードさせるという行為を繰り返していたという。同社は、以前に業務の改善を図ると約束しており、さらに、スパイウェアの専門家やプライバシー擁護派から警告を受けたにも関わらず、このような不正行為を続けていた。
CDTのデピュティディレクターAri Schwartzは23日に行った電話インタビューの中で、「180solutionsは、サービスの改善/適正化を図ったと繰り返し表明してきたが、結局、同社の主張はでたらめであることが分かった」と語った。
180solutionsの広報担当のSean Sundwallによると、同社はまだCDTの申立書を見ていないという。2通の申立書はいずれも180solutionsを標的としているが、2通目にはCJBによるアドウェア配布に関する記述も含まれている。
Sundwallは、「われわれは、自発的に業務改善を図り、CDTから指摘された全ての妥当な懸念事項に対処してきた」と述べ、さらに「180solutionsとCDTは、インターネット上の消費者の権利/プライバシーの保護に関し、共通のビジョンを持っている」と語った。
180solutionsは以前から、複数の反スパイウェア団体が監視を続けていた。ワシントン州ベルビューに拠点を置く同社が開発しているアドウェアは、ユーザーがウェブ検索を行うとポップアップ広告が表示されるというものだ。180solutionsは自ら同ソフトを配布しているが、ウェブスペースプロバイダのCJBなどのサードパーティにも配布を委託している。サードパーティは、インストールされたソフトの数に応じて180solutionsから報酬を受け取る。
アドウェア/スパイウェア対策に取り組むCDTなどの団体は、180solutionsのアドウェアの配布方法に不正があるとして同社を非難してきた。同社が用いてきた具体的な手法としては、ダウンロードに関する開示情報を冗長な法律文の中に潜り込ませて読みにくくする、ウェブブラウザのセキュリティホールを利用して密かにアドウェアをインストールさせる、同社のブランドを偽装する、ポップアップ表示プログラムのアンインストールを困難にする、などが挙げられる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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