Symantecが、同社のウイルス対策製品「Norton」およびその他の製品の値上げを行っていたことが明らかになった。2006年にはMicrosoftがコンシューマセキュリティ分野に参入するが、Symantecの今回の動きはこれに影響を受けたものと見られる。
Symantecは米国時間10日、Nortonユーザーがインストール済みの製品を新たに1年更新する際に支払う料金を、およそ33%値上げした。この更新には、従来のウイルスシグネチャと、Symantecのサブスクリプション形式モデルへの移行の一環として新たに拡充された、複数の製品機能が含まれている。
Symantecは、Norton製品の2006年版のリリースを9月に発表している。このときは、「Norton AntiVirus」「Norton Internet Security」「Norton System Works」「Norton Personal Firewall」の新ユーザー向けの価格が公表されただけで、既存ユーザーの製品更新料は明らかにされなかった。同社の関係者によれば、新しい更新料は米国時間10日から適用されているという。
Merrill Lynchのアナリストは今週に入って、同社の価格改定は、2006年にMicrosoftがセキュリティ分野に参入する前の「最後のあがき」だと、調査報告書に記した。またあるいは、「間近に迫ったMicrosoftの市場参入にも脅かされることはないという、断固たる決意の表明」であると、アナリストは報告書の中で分析している。
さらにMerrill Lynchの報告書は、Symantecは4000万人の製品利用者を抱えており、このたびの値上げで同社の来年度売上高は約2億5000万ドル増加する見込みだと指摘している。
競争の激しいコンシューマ向けセキュリティソフトウェア市場で料金の値上げは珍しいと話すのは、Forrester ResearchのアナリストMaribel Lopezである。「価格を下げていくことが基本的な傾向になっている。消費者が期待しているのは、価格の据え置きか値下げなのだから」と、Lopezは説明する。Lopezはまた、にもかかわらずユーザーは、製品更新の際にその費用を気にかけていないと述べた。
同市場へのMicrosoftの参入は、各社の先行きにたれ込める暗雲のようなものだとLopezは言う。「最大の問題は、Microsoftの参入によって、市場からはじき出される企業が出るかどうかということだ。Symantecは、業績が好調なうちに、資金を手元にかき集めようとしている」(Lopez)
Microsoftは、ワームやウイルス、スパイウェアといった脅威からコンピュータを保護する製品を準備している。このコンシューマ向けウイルスおよびスパイウェア対策サービスは「Windows OneCare」と呼ばれ、7月にベータ版がリリースされた。Microsoftは先週には、ビジネスコンピュータを保護する製品のテスト版を2005年末までに提供すると発表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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