携帯電話にインストールされると、ユーザーに気付かれることなく通信記録やテキストメッセージを記録するソフトウェアが登場した。販売元では子どもや配偶者を監視する手段として宣伝しているが、あるセキュリティ企業は、これはトロイの木馬だとして警告を発している。
このソフトは「FlexiSpy」といい、主に通信記録やテキストメッセージ、モバイルインターネット活動を記録する。3月初めに発売され、価格は49.95ドルだ。販売元のタイの企業、Vervataでは、子どもや浮気がちな配偶者の監視ツールとしてこのソフトを宣伝している。記録されたデータはVervataのサーバに送られ、顧客は専用のウェブサイトを通じてこの情報を入手する。
パソコンで同様の監視活動を行うソフトウェアは既に存在し、家庭内暴力と戦う団体の怒りを買っている。暴力をふるう配偶者がこれを使ってパートナーの行動を監視する可能性があるというのだ。
一方、FlexiSpyについては、フィンランドのセキュリティ企業F-Secureが、まったく別の観点から批判している。F-Secureは同ソフトをトロイの木馬の1種と位置づけ、無害に見せかけているが、実は悪質なプログラムだと警告を発した。
F-SecureのJarno Niemela氏は現地時間3月29日、同社のブログで次のように述べた。「このアプリケーションは、その素性を一切告げずにインストールを開始する。しかも、一度インストールされてしまえば、ユーザーはその存在にまったく気付かない」
Niemela氏によると、FlexiSpyは携帯電話を標的とした悪意あるソフトウェアの一部として悪用される危険性もあるという。また、好奇心からインストールする人を狙い、Bluetooth接続を使って携帯電話端末にこのプログラムを送信する攻撃者が出てくるかもしれないと同氏は指摘する。F-Secureでは、FlexiSpyを検出できるよう携帯電話向けのセキュリティプログラムを更新した。
Vervataは29日夜になって、FlexiSpyは悪意あるソフトではないとする声明を電子メールで送信した。同社の声明には「FlexiSpyは、トロイの木馬でもウイルスでもない。また、除去したい場合も、F-Secureのアンチウイルス製品を購入する必要はない」とある。加えて、同ソフトにはアンインストールのオプションも用意されているとVervataは説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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