2006年に入ってから、携帯電話をターゲットにしたトロイの木馬が複数発見されている。だが、これらの脅威に対するセキュリティ対策企業の深刻度評価は、相変わらず低いようだ。
モバイル端末用にウイルス対策ソフトウェアを提供するSymantecは、1月に入り、Symbian OSをターゲットとしたトロイの木馬9種を確認した。Symantecによると、これらのマルウェアは携帯電話の機能を停止させたり、他の悪質なウイルスをインストールしたり、個人のデータを他の端末に無線で転送したりしようとするという。
Symbian OSは、人気の高いスマートフォン向けオペレーティングシステム(OS)で、Nokiaなどのメーカーでは、同OSを搭載した携帯電話を提供している。Gartnerの調査によると、2005年第3四半期に出荷されたスマートフォンの3分の2がSymbian OSを搭載した端末だったという。
2005年10月には、Nokiaが「Series 60」をベースとするスマートフォンに、Symantecのウイルス対策プログラム「Mobile Security」を搭載させることを発表している。F-SecureやMcAfeeも、携帯端末向けにウイルス対策製品を提供している。
1月に入ってから発見されたマルウェアはすべて、Bluetooth機能を介して感染する。Bluetoothは短距離用の無線通信技術で、この機能は、多くのスマートフォンに搭載されている。1月1日以降、SymantecのDeepSight Alert Servicesでは、「Cdropper」の亜種を5種、「Pbstealer」を2種、「Sendtool」「Booton」を各1種ずつ確認している。これらのうち最後にウイルスが発見されたのは、先週のことだ。
PbstealerはBluetooth機能を使って、ユーザーのアドレス帳、テキスト形式のファイル、カレンダー、To-Doリストなどを他の端末に転送する。またCdropperは、CabirとLocknutの両ウイルスのインストールを試みるという。
2006年に入って発見されたもののなかで、最も厄介なのはBootonだろう。Bootonは、モバイル端末に破損ファイルを植え付けたうえで、端末を再起動する。しかし、この端末は植え付けられた破損ファイルのおかげで、再起動に失敗してしまうと、Symantecは説明する。Sendtoolは感染したモバイル端末に対し、トロイの木馬やBluetooth搭載端末向けウイルスなど、悪質なプログラムを送出する機能をもったマルウェアをインストールする。
脅威の数自体は増えているように見えるが、実際の脅威レベルは低い。Symantecによれば、これらのマルウェアに感染したという報告はほとんど寄せられていないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力