著作権法違反ほう助の罪で公判中のWinny(ウィニー)開発者、金子勇氏は3月11日、NPO法人ソフトウェア技術者連盟(LSE)大阪セミナーの席で会見を行い、「Winnyは技術検証のために開発したもので、ウイルスによる情報漏えいは予想外の事件」と語った。
この日のセミナータイトルは、「実践プログラミング講座 〜Winnyの技術とその到達点」。前半は金子氏の会見が中心。後半で金子氏がWinny技術について語り、弁護士が情報漏洩対策について講演した。
情報漏えい対策など「Winnyを良くするアイデアはあるが、身動きが取れない」と語る金子勇氏 |
最近になり数多く報道される、Winnyによる公文書などの情報漏えい事件の報道について、弁護側は「Winnyは優れたソフトウェア。最近、Winnyそのものがウイルスであるかのように報じられているが、Winnyの機能を理解した上で報道してほしい」と語った。
金子氏も「ウイルスによる情報漏えいは残念で、私にとって予想外の事件だ。問題なのはWinnyではなく、ウイルスを作った人、ネットワーク上に流す人、そして感染する人」と話す。情報を漏えいさせないためには、「PCを共有しないこと、(データを)家に持って帰らないこと、悪質なプログラムを実行しないこと、そしてWinnyを理解できない人は使わないこと」が有効と述べた。
金子氏は、Winnyを改良し、情報漏えいを防ぐことも技術的には可能と主張する。しかしながら同氏は、Winnyを200回以上バージョンアップしたことが問題視され、著作権法違反ほう助で起訴された原因のひとつになったとして、今後Winnyの改良を行わないことを警察側に誓約したという。そのため、「対策すると、バージョンアップになってしまう。Winnyをより良くするアイデアはあるが、今は身動きが取れない」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス