アドウェアメーカーの180solutionsは、自社イメージ改善のため、製品をアップデートし、不正配布を阻止するようにした。
180solutionsは、ユーザーがウェブ検索を行うとポップアップ広告を表示する「180search Assistant」と「Zango Search Assistant」を提供しており、以前からスパイウェア反対グループの攻撃の対象となっていた。Zangoの場合は同社自身が配布しているが、180searchは約8000社のサードパーティが配布している。これらサードパーティは、180serarchのインストールに対し、同社より報奨金を受け取っている。
アドウェアではよくあることだが、知らないうちに180solutionsの製品をインストールしていたというインターネットユーザーも多い。アドウェアメーカーの中には、ダウンロードを知らせる文言を長い法律用語で覆い隠したり、ウェブブラウザのセキュリティホールを通してユーザーに気がつかれないようにインストールしたり、自社ブランドを隠したり、アンインストールプロセスを難しくしたりしている。
180solutionsは、ユーザーが自社ソフトウェアを気がつかないうちにインストールするのは、「不正なディストリビューター」のせいだと非難している。同社ではそのような手段をとらないことを示すため、元パートナーだった企業数社を訴えており、今年に入り約8000社あったパートナーのうち500社との提携を解消している。
同社は米国時間7日、180searchとZangoをアップデートし、ユーザーが知らないうちにインストールしないようにしたと発表した。両製品とも新技術の「Safe and Secure Search」を含み、製品をインストールする際のユーザー確認ステップが削除または不正に操作されないようにしたという。
「本日の発表は、不正インストールを低減するためにこれまでわれわれがとった技術的ステップのうち、最大のものとなる」と180solutionsの社長兼共同設立者、Daniel Toddは声明文で述べている。
だが、同社の意図に懐疑的な専門家もいる。
「この発表は主として、好意的な報道を狙ったPR作戦だと思う」というのは、アドウェア/スパイウェア研究家で、ハーバード大学法学大学院の学生でもあるBen Edelmanだ。「理性あるユーザーなら、180solutionsが提供するような、ポップアップをインストールしたいとは思わないはずだ。同社が自社ソフトウェアをインストールさせるのには、レトリックを使った巧妙な策略に頼る必要がある」とEdelmanは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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