Yahoo! BB出張サポートの委託人、顧客情報を自分のビジネスに流用

藤本京子(編集部)2005年05月24日 19時59分

 Yahoo! BBの出張設置サポート「はじめてYahoo! BB」の業務委託先であるスリープロの元登録エージェントが、出張設置サポートを行った顧客に対し、同エージェントが個人で営業するパソコンサポートサービスのダイレクトメールを郵送したことが発覚した。ソフトバンクBBが5月24日に発表した。

 このエージェントは、Yahoo! BBの出張設置サポート業務に従事した際に入手した顧客情報を業務外で利用したわけだ。業務外利用が行われた地域は大阪府内で、利用件数は最大で198件。この件数は、同エージェントが委託を受けた作業の277件中、出張設置サポートが完了した件数となる。利用した顧客情報は住所と氏名で、時期は2004年2月から2005年4月の1年以上にわたる。

 発覚したきっかけは、同エージェントが出張設置サポートを行った顧客1名からソフトバンクBBに対して申告があったためだ。顧客が受け取ったダイレクトメールをソフトバンクBBで確認し、記載されていた連絡先から同エージェントが送ったものであるとわかった。ソフトバンクBBは、ダイレクトメールが送られた可能性があるすべての顧客に対し、おわびの書面を郵送するとしている。また、この件についての問い合わせは、Yahoo! BBカスタマーサポートセンターお客様相談室にてメール(sbb@bbtec.net)で受け付ける。

 ソフトバンクBBでは、スリープロへの出張設置サポート業務の委託をいったん停止し、契約期間終了後に契約を解除する予定だ。また、スリープロと同エージェントに対して、損害賠償請求訴訟の提起を検討中だ。

 再発防止策についてソフトバンクBBは、

  • 出張設置サポート業務を委託している登録エージェントすべてに対し、再度個人情報の厳格な取り扱いを定めた契約書を交わすこと
  • 同業務委託先の登録エージェントおよび業務委託先より、業務完了後の個人情報破棄証明書を提出させること
  • 登録エージェントの審査や選定基準を策定し、基準をクリアした登録エージェントにのみ業務を発注すること
などを挙げている。選定基準は、過去の実績などを元に策定され、その結果現在登録しているエージェントの契約を打ち切る可能性もあるとしている。

 ソフトバンクBBは、「業務委託先や登録エージェントとは、個人情報の厳格な取り扱いを定めた誓約書を交わしておりましたが、このような事態に至ったことはまことに遺憾です。お客様ならびに関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げると共に、再発防止に取り組んでまいります」としている。

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