IBMは米国時間22日、スパムに対抗する新たな「武器」を公開した。これは電子メールを分類する技術の一種で、電子メールの送信元ドメインを分析し、迷惑メールの送信に関与しているコンピュータの速度を遅くするというものだ。
このスパム対策技術は「FairUCE」と呼ばれ、大量の迷惑メール送信に使用されているコンピュータに大きな打撃を与える。任意のマシンがスパムの送信元であることが確認されると、FairUCEはそのマシンから送信されてきたあらゆるメッセージを送り返し、当該のコンピュータの速度を低下させて、迷惑メールをそれ以上発信できないようにする。
理論的に、FairUCEの対象となったシステムは、スパムを送れば送るほど、自身に返ってくるトラフィックが増加する。IBMは、この技術を同社のウェブサイトからダウンロードして利用できるようにしている。
IBMの調べによると、2月中に送信された全電子メールの76%がスパムだったという。また、メール46件に1件が、ウイルスやその他の悪質なコンテンツを含んでいるという理由で、受信を拒否されている。迷惑メールは今も量産されているが、これでも1月に発見されたスパムの数よりは少ないと、同社はいう。1月中に送信された全電子メールのうち83%が迷惑メールだったと、IBMでは認識している。
IBMによれば、FairUCEに採用されている中核的なフィルタリングテクノロジーは、ネットワークレベルでアイデンティティマネジメントツールを利用し、電子メールのソースを追跡して、その正当性を立証しているという。同システムは、コンピュータのIPアドレスを調べて、スパムを断続的に送信しているマシンのプロファイルを構築し、そのマシンにスパムメッセージを送り返すことでパフォーマンスを低下させる。
スパムをまん延させるコンピュータや、迷惑メールを宣伝活動に使用するウェブサイトに直接反撃するという試みは以前から行われている。だが、こうした行為に対しては、インターネットの監視機関が苦言を呈していた。顧客への連絡手段として電子メールを利用する正規のビジネス活動にまで影響が及びかねないというのが、こうした攻撃的なスパム対策ツールに対する最大の懸念だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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