自作のインターネット・セットアップ・プログラムが、McAfeeのウイルス定義ファイルによってトロイの木馬であると誤って診断されたこと受け、オーストラリアのあるソフトウェア開発者が同社の提訴を検討している。
McAfeeは米国時間9日、問題部分を修正したウイルス定義ファイルのアップデートを公開したが、豪ブリスベーンのMark Griffithsは、提訴について「検討をやめるつもりはない」と述べる。
Griffithsは、ISPWizardというインターネット・セットアップ・プログラムを20カ国以上のISPに販売している。ところが、ISPの顧客のPCにインストールされたMcAfee製アンチウイルスソフトウェアがISPWizardを、BackDoor-AKZというトロイの木馬であると誤検出してしまった。McAfeeのソフトウェアはプログラムをユーザーのシステムから自動的に削除するため、多くの人々がISPに接続できなくなってしまった。
Griffithsは、2日に米国のISPから連絡を受け、初めて誤検出の事実を知ったという。各ISPは顧客から、インターネットサービスにアクセスできないと指摘され、問題に気が付いた。通知を受けたGriffithsは、直ちにMcAfeeに電子メールを送信したが、同ウイルス対策ベンダーから回答があったのは6日になってからだった。
Griffithsは、プログラムがトロイの木馬であると認識されたことで、今月の売上が最低でも50%減少したと試算している。McAfeeの問題を受けて顧客が別のISPに乗り換えたため、3000万ドルもの損失が発生したISPもいたと同氏は付け加えた。
McAfeeのアジア太平洋地域担当マーケティングディレクターAllan Bellは、同社では9日に新しいウイルス定義ファイルをリリースしており、Griffithsの問題にも対処していると述べた。また同氏は、同社のソフトウェアがトロイの木馬を署名やパターンで特定していると説明した。そのため、ウイルス定義ファイルがウイルスでないプログラムを「誤検出」する可能性は常にあると同氏は語った。
Bellは、McAfeeでは開発者が自分のソフトウェアをテストするための手順を公開していると述べる。また同氏は、開発者がMcAfeeのサポート部門に連絡すれば、プログラムを提出することで無償テストを受けられると付け加えた。
「われわれのところには、既知の無害なファイルやプログラムを登録した巨大なデータベースがあり、これを検索することで誤診がないようにしている。誤診が発生することはかなりまれだが、開発者にはわれわれのサポート部門に連絡をしてプログラムをテストするよう呼びかけている」(Bell)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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