スパム対策ツールメーカーのBrightmailは今週、同社ソフトウェアの新バージョンを発表したが、これにはゾンビPCに対応する機能が新たに盛り込まれている。
Brightmailの新しいソフトウェア「Anti-Spam 6.0」は、同社がReputation Serviceと呼ぶスパム業者のIPアドレスリストの管理を通じて、スパムをフィルタリングする。Reputation Serviceは「ハニーポット」を仕掛けて、スパム業者の情報を収集する。「ハニーポット」とは、ウェブ上をまわってスパム送信先となるアドレスを探すスパムボットを誘き寄せるための偽電子メールアカウントのことだ。
Brightmailのエンタープライズプロダクトマネージャー、Mark Brunoによると、新バージョンではこのアドレスリスト機能が強化され、スパムだけを送信するIPアドレスと、スパムと正当なメールの両方を送信しているアドレスとを区別できるようになったという。正当なメールとスパムの両方を送っているコンピュータは、ゾンビPC--大量メール送信型のウイルスやトロイの木馬に感染したPC--の可能性がある。Anti-Spam 6.0では、スパムだけを送信しているIPアドレスのメールを全て遮断するが、送信されるメールの一部がスパムとされたアドレスのメールについては、新たに追加されたプロセスを通じて、それが本当にスパムであるかを確認する。これにより、ゾンビPCから送られる正当なメールは、正しく配送される可能性が高くなる。
またBrightmailのソフトウェアでは、スパムメッセージの特徴を調べる学習エンジンも使用している。「MicrosoftのHotmailは、スパムを(Hotmailユーザーの許可を取らずに)即座に削除するわが社の製品を非常に喜んでいる。彼らは毎日、数十億通ものメールを削除している」
新ソフトウェアではこの他にも、外国語のスパムへの対応機能が向上し、ウェブベースの管理コンソールが追加された。
だが、あるBrightmailの競合企業は、Brightmailの方法には限界があると述べている。Commtouchの最高技術責任者(CTO)Amir Levは、スパム業者はさまざまな方法でメールアドレスを入手しているため、Brightmailのやり方では出回っているスパムの80%しか追跡できないという。またスパム業者は、有効なアドレスを使いたがる傾向があるが、おとり用メールアカウントはメールに返信しないため、有効とみなされることはないと指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス