ネット事業者や有識者らで組織する「安心ネットづくり促進協議会」の「児童ポルノ対策作業部会」がまとめた中間報告書が3月30日、公表された。
報告書は、同作業部会の下に設置されたワーキングチーム「法的問題検討サブワーキング」による議論の結果をまとめたもの。児童ポルノの流通を防止するためのプロバイダーなどによる「ブロッキング」の是非を法学的見地から検証している。
報告書ではブロッキング行為について、「適切な内容を含む通信全般を監視し、不適当な内容の通信を遮断するものであり、事実上の私的検閲行為である」と記述。ただし、児童ポルノのネットにおける掲示については「流通し得る状態に置かれた段階で、児童の権利等に対する重大かつ深刻な法益侵害の蓋然性がある」とし、ブロッキングは正当であるとしている。
一方、成人のわいせつ画像については「仮に自己の意思に反するものであっても、本来性欲の対象にされるべきではない児童ポルノと、現在の危難ないし法益の権衡の点で同列には扱えない」、「著作権という財産に対する現在の危難が認められる可能性はあるが、児童ポルノと同様に直ちに重大かつ深刻な人格権侵害の蓋然性が生じるとは言い難い」などの理由を挙げ、ブロッキングの対象は児童ポルノに限定すべきだと提言している。
ブロッキングの実施にあたっては、通信の秘密や表現の自由に対して不当な侵害が生じないよう、手法や対象等について、明確性と透明性が担保されるよう十分に配慮すべきだとしている。
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