市場調査会社のNPD Groupは同社の音楽トラッキングサービスが実施した調査に基づく興味深い統計を発表した。
NPD Groupの広報担当者によると、「2008年に米国でデジタル音楽を購入した人の87%が『iTunes』を利用して楽曲をダウンロードした。これに対して、16%が『Amazon MP3』を利用した」という(同調査において利用サービスの複数回答が可能)。
一見したところ、調査の数字はそれほど悪くないように思える。
NPD GroupのアナリストであるRuss Crupnick氏は、調査の数字がAmazonに自信を与えるだろうと認めた。まず、Amazonの音楽ストアはサービス開始後わずか18カ月で2位につけている。またCrupnick氏は、Amazonのデジタル音楽ストアが、これまでAppleに挑戦したサービスの大部分よりもうまくやっていると述べる。
Crupnick氏は、「以前はiTunesが1位で、2位は実質的に誰もいなかった」と述べた。
Crupnick氏によると、Amazon MP3は、平均的なiTunesの利用者よりも年齢が少し高い層で受け入れられ始めており、これは良いことであるという。
Crupnick氏は「多くの消費者がいまだにCDを購入しているのではないかと思っている。そして、この消費者の一部は年齢が少し高めだ」と述べ、「このことはAmazonの助けになるだろう。なぜならAmazonがiTunesとあらゆる面において競合しているわけではないからだ。Amazonは一部の顧客をiTunesと共有し、また独自の顧客を持つだろう。これは成長に従ってAmazonの助けになるだろう」と続けた。
Crupnick氏によると、調査が示すもう1つの重要な点はiTunesのフランチャイズ力の強さであるという。AppleのiTunesは90%近い音楽購入者が利用している。
Los Angeles Timesの報道によると、Appleは米国時間4月7日、iTunesでの価格体系を一部変更する予定であるという。この変更を心配する人に向けて、NPD Groupでは販売を詳しく追跡する予定だ、とCrupnick氏は述べた。しかし、同氏は、Appleが導入予定の複数価格体系(カタログ楽曲は1曲69セント、最新ヒット曲は1.29ドルなど)が販売に悪影響を及ぼさないという点においては、非常に懐疑的だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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