2月5日に開催された、中間法人ブロードバンド推進協議会(BBA)主催の「OGC 2009(オンラインゲーム&コミュニティサービスカンファレンス)」では、話題となっているコミュニティーサービスの現状やビジネスモデルが紹介された。中でも、アバターを活用した、女性向けのファッションコミュニティーサイトを展開し、注目を集めているのが「プーペガール」だ。このサイトを運営するプーペガール代表取締役社長の森永佳未氏は、そのビジネス展開や今後の課題を語った。
プーペガールは、2007年2月28日にサービスを開始。会員数は2008年12月末時点で約25万人、月間約3億PVを記録した成長著しいコミュニティーサイトだ。ファッションに特化したコミュニティーであることが特徴で、ユーザーはアバターの着せ替えを楽しみながらファッションの情報交換をする。
このサイトの収益モデルは、課金収入と広告収入の2本立て。課金については、ユーザーがアバターのアイテムを購入するときに使う仮想通貨「リボン」を販売して収入を得ている。仮想通貨のリボンはユーザーのアクションに応じて付与されるが、現金でも購入できるようにしているのだ。
広告はバナー広告や、メッセージ送信後などに表示されるトラフィック広告のほか、タイアップ広告を展開している。中でも力を入れているのがタイアップ広告で、第一弾として採用されたのはルイ・ヴィトン ジャパンカンパニーだった。
「アパレル業界は他社との“横並び”感を特に重視する業界だと聞いた。そこでとにかくハイブランドを攻略しなければと思った」と森永氏。初めにトップブランドで採用されたことが功を奏し、その後も大手アパレルブランド、美容ファッション関連会社とのタイアップにつながった。
森永氏によると、プーペガールの利用者のうち、22%が海外ユーザーで、登録者は50カ国以上にわたるという。「ファッションへの興味は言語を超えると実感した。世界を代表するファッションコミュニティーも夢ではない」と、自信を見せる。
また、バーチャル世界におけるこうしたコミュニティーサービスの発展には、PVに代わる評価指標を策定する必要があると話す。松永氏は「バーチャルワールドはPVだけでは評価できない。昨年参加した米国の仮想世界のカンファレンスでは、“Engagement”という表現が共通言語として使われていた。滞在時間やアクション数なども含めて、コミュニケーションの効果を複合的に定量評価できる指標を業界全体で作っていかなければならない」と、今後の課題を語った。
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