YouTubeに掲載されている一部のミュージックビデオから音が消えたが、これは大手レコード会社の責任ではないことがわかった。
YouTubeでは同社のブログ(注:リンク先のブログ記事を見るにはYouTubeの設定をWorldwide(全世界)にする必要がある)に、以下のような趣旨の説明を掲載している。それによると、著作権者の許可を得ていない楽曲を含む動画をYouTubeに投稿したユーザーは、YouTube側が動画そのものを削除する措置のほかに、音声を消す措置も選べるようになったという。
YouTubeは少し前から、著作権者の使用許可を得ていない楽曲を含む動画を投稿するユーザーに対し、その楽曲をあらかじめ承認を受けた楽曲に差し替えるという選択肢を与えていた。この措置をよしとしない場合には第2の選択肢として、YouTube側がその動画を削除するか、あるいは音声をオフにするかをユーザーが選ぶことになると、YouTubeでは述べている。
音の消えた動画には「この動画には、著作権保有者から許可されていない音声トラックが含まれています。音声を無効に設定しました」というYouTubeからの注意文が掲載される。
Universal Music GroupとWarner Music Groupに問い合わせたが、コメントは得られなかった。
音声を無効にするというYouTubeの方針は、少し前から実行に移されていた。それがここへ来て明るみに出た唯一の理由は、YouTubeとWarner Musicの間のトラブルだ。
YouTubeは、4大レコード会社のすべてとライセンス契約を結んでいた。2008年12月、YouTubeとWarner Musicとの間の契約更新の交渉が決裂し、Warner MusicはYouTubeから手を引いた。現在、音声が消されている楽曲の大半はWarner Musicが権利を有するものだ。
両社の交渉は行き詰まり状態にあり、解決の糸口はいまだに見えない。同時に、YouTubeはWarner Music以外の大手3社とも契約更新の交渉を進めている。
仮にYouTubeが他の大手3社とも新しいライセンス契約を結べなかった場合、YouTubeは現代に無声映画の時代をよみがえらせることになるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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