しかし現在では、自社開発のコンテンツ管理システムを導入。著作権違反コンテンツを速やかに削除できる体制を整えた。このシステムでは、著作権者が「リファレンスファイル」と呼ぶユーザー非公開の動画ファイルをアップロードして、ユーザーがYouTubeにアップロードする動画とのマッチングを実施。両者が同一と認められればYouTube上からファイルを削除している。
ただし、権利者にはファイルを削除する以外の選択肢も用意されている。それは権利者が広告を表示した上でのアップロードを容認し、広告による収益を得るというものだ。現在ではコンテンツ管理システムを利用する世界300社のうち90%が動画を削除するのではなく収益化するというモデルを選択しているという。
また、国内の動きとしては社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)やジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)、e-Licenceと包括利用許諾契約を締結。3団体が管理する楽曲については、ユーザー個人が著作権処理せずともアップロードできるようになった。
牧野氏はこれらの施策を説明した上で、「将来的にはどんな動画もアップロードできる仕組みを作っていきたい。それには著作権の問題があるが、著作権者が簡単な設定をするだけで(収益化や動画の削除といった)権利を管理できるようにしていければ」と語る。
牧野氏は講演の最後に、米国で取り組まれているサービスの最新動向を紹介した。まず紹介されたのは「Click to buy」。これは音楽アーティストのプロモーションビデオから、iTunes Storeなど音楽配信サービスへと誘導し楽曲の販売を行うというものだ。
また、検索連動型の動画広告「Sponsored Video Ads」(11月12日に正式発表)、長尺の動画コンテンツ「Long Form Video」、などを紹介。そして世界中で最も日本人のユーザーが多いというYouTube モバイルについては、「国での広告配信を待たずに独自で展開していく」(牧野氏)とした。
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