家電小売チェーンのBest Buyは、音楽サービスの「Napster」を買収し、競争が過熱するオンライン音楽配信分野へと参入することになった。
両社は米国時間9月15日、Best Buyが1株当たり2.65ドルを支払い、総額1億2100万ドル規模での買収の合意に至ったことを発表した。6月30日時点における、Napsterの約6700万ドルの現金資産および短期投資額などを考慮すると、実質的な買収額は5400万ドルになるという。
Napsterの買収により、Best Buyは、オンラインエンターテインメントという分野で、かつての競合企業に手を出したことになる。10年ほど前は、デジタル音楽といえば、Napsterのことを指していたが、音楽業界からの猛烈な怒りを買った悪評でも名を馳せることになった。その結果、Napsterはサービス終了に追い込まれ、「Kazaa」や「LimeWire」といった競合サービスが発展を遂げた。
その後、Napsterはサブスクリプションサービスとして復活を遂げ、現在の利用者数は70万人を数えるとされている。
Best Buyは、Napsterの技術資産および利用者というベースを活用し、デジタル音楽や、さまざまな電子デバイス上で「音楽サブスクリプションを超える」エンターテインメントの新たな形を模索する消費者へのリーチを広げる予定である。買収によって、音楽レーベルや映画スタジオ、ハードウェアメーカーとの取り引きを進める上でも、大きなメリットがもたらされると、Best Buyは主張している。
しかしながら、デジタル音楽という分野は、すでにAppleの「iTunes」から「Amazon MP3」に至るまで、有力なサービスがひしめいている。一方、ソーシャルネットワーキング業界も、ごく近い将来に、1社ならず、大手2社が、新サービスの発表を期待されている。今週中に「MySpace Music」がスタートし、Facebookからも音楽戦略の発表が行われそうである。
ロサンゼルスに本社があるNapsterは、40名の従業員を抱える。3月が締めとなった2008会計年度のNapsterの決算報告では、1億2750万ドルの売り上げがあったものの、1650万ドルの損失が計上されている。
買収手続きは、第4四半期中に完了する予定である。Napsterの最高経営責任者(CEO)であるChris Gorog氏や、他のシニアマネージャーらは、買収完了後も、同社に残る契約に署名した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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