家電製品などの価格比較および掲示板サイト「価格.com」を運営するカカクコムは5月21日、IT技術者に特化したコミュニティサイトを開設した。IT技術者向けノウハウの収集、発信、共有を支援するデータベース・メディアサービスというコンセプト。多言語対応となっており、同社としては初めての海外展開を視野に入れた事業となる。
新設したのは「okyuu.com(オキュウコム)」(ベータ版)。東洋医療の一つである「お灸」がサイト名の由来で、「世界規模で利用される日本発のサービスを目指す」(取締役COO=最高執行責任者=の安田幹広氏)という意志を込めた。同社が運営する月間利用者600万人のグルメコミュニティサイト「食べログ.com」同様、主力サイトの「価格.com」とは別ブランド、別ドメインで展開する。
具体的なサービス内容は、「プログラミング」「サーバ/ストレージ」「ネットワーク」――など12のカテゴリを構成する約120のIT技術者向けテーマごとに、サービス利用者が気になるネット上のノウハウ解説記事やニュースサイトの関連記事を投稿し合い、利用者同士で蓄積される情報を共有するというもの。利用者は興味のある記事を投稿したり自ら書き込んだり、他の利用者の投稿を評価したり、カテゴライズやタギングなどによる情報整理をすることで参加する。
蓄積情報は5段階の評価順、新着順、アクセス数順――などさまざまな軸で検索することができ、また、「価格.com ID」や対応するオープンID(2.0/1.1)で利用できるマイページ上で気になる利用者の投稿を確認するなど、利用者ごとに好みの情報管理が行える。見やすいソースコード表示や「YouTube」など外部サービスと簡単に組み合わせることができる機能を持った投稿用エディタのほか、メッセージ交換や閲覧履歴を残す機能などを備えたミニSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を実装するなど、使い勝手の良さを追求した。
安田氏はIT技術者に特化したコミュニティサイトを新設したことについて「IT関連業界は縦割りの業界構造や厳しい労働環境などにより、優秀な人材が埋もれがち。世界中のITエンジニアがデータベースとして活用するとともに、秘められた実力を発信するメディアとしても利用してもらいたい」としている。
今期(2009年3月期)における収益への貢献は見込んでいないが、まずは同期内に月間訪問者数で数十万人を目指す。その上で広告や人材紹介、教育・資格などのビジネスにつなげていきたい考え。
オキュウコムは5月1日に新設された「COO室」が手がける事業の第一弾。新コミュニティ立ち上げなど新規事業の研究開発などを手がける戦略的組織という位置付け。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス