Amazon.com Web Service(AWS)のホステッドストレージサービスが米国時間2月15日の午前中にダウンし、多くのウェブサイトの顧客をいらだたせるとともに、大々的に宣伝されたクラウドコンピューティングの手法に対する懸念を再燃させた。
15日の午前中、一部のユーザーがAmazonのSimple Storage Service(S3)に保存されているコンテンツがまったく利用できないか動作が遅くなっていることに気づき、それと同時にあるオンラインフォーラムでは顧客の不満が急増した。
Amazonの技術者によるとサービスは数時間後に復旧した。フォーラムに最初の記事が投稿されたのが太平洋時間帯の午前5時であり、サービスが復旧したのは午前9時を少し過ぎたころだった。
今回の不具合はブログ界に波紋を投げかけた。これまでウェブ起業家はAmazonのホステッドコンピューティングサービスの利用を増やしてきたが、今後はバックアップ計画やより従来型に近いホスティングプロバイダーが必要ではないかと考慮し始めている。
同フォーラムでは、今回のサービスの不具合によって事業の運用が一時的に完全に不能になったと不満を述べているユーザーもいる。
「わたしの新しいサイトではAmazonに2万5000件以上の画像をホスティングしているが、今朝目を覚まして重大な問題が発生していることに気づいた」とある顧客は記している。「S3サービスはすばらしいが、今回の件でS3は信頼できないことがわかった。サービスの障害時間が非常に長かったので特に問題が大きい」
このウェブサイトの運営者はなんとか社内のバックアップシステムを稼働させることができたが、この作業は自動化するべきだとフォーラムの投稿で指摘している。
Amazonがコンピュータサービスの確実な運用という面で問題に遭遇したのは今回が初めてではない。
しかしサービスの導入時からAmazonは積極的にWeb 2.0の新興企業を顧客として獲得しており、顧客の多くは事業の運用をAmazonのコンピューティングインフラストラクチャに依存している。
例えば、写真共有サイトの「SmugMug」は自前のサーバとストレージ機器の使用を停止し、Amazonの従量制サービスを使用することによって数十万ドルを節約できたと述べている。
Amazonでは、問題が完全に解決したら技術的な詳細について発表する意向だと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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