ウェブブラウザ「Opera」の最新版では、モバイル端末とPCの間で、同じブックマーク環境を共有できる。
ノルウェー企業のOpera Softwareは、CTIAカンファレンス最終日となる米国時間10月25日午後、驚くべきことにサンフランシスコで開かれたロックコンサートにおいて、「Opera 9.5」および「Opera Mini 4」のベータ版をリリースすることを計画している。Opera Softwareの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)であるJon von Tetzchner氏は、CTIAの来場者が集うモスコーンセンターからほんの1ブロック離れた場所で行われたインタビューで、「Opera Link」という新機能が最も画期的な発表であると語った。Opera Linkは、Opera Miniを搭載する携帯電話からでも、Opera 9.5を搭載するPCからでも、インターネットユーザーが共通のブックマーク環境へアクセス可能にするサービスである。
Operaは、長い間モバイル端末に注力してきたという点で、ブラウザ界の競合の中では異色の存在である。Mozillaは最近になって、スマートフォンを視野に入れたブラウザ開発計画を発表し、MicrosoftもInternet Explorer Mobileを開発してきたが、Operaは、スマートフォン分野で圧倒的なシェアを占めるOSであるSymbianが搭載されたスマートフォンで、大多数のユーザーによって選ばれてきたブラウザだ。
Operaのモバイル製品への取り組みの根底にある考え方は、AppleのCEOであるSteve Jobs氏が、iPhoneを売り込んできた手法に共通する。von Tetzchner氏は、スマートフォンユーザーは、限られたインターネットエクスペリエンスしか携帯電話上で楽しめない状況には、もはや我慢できないのだと語っている。Operaは、PC、スマートフォン、通常の携帯電話、それに任天堂のWiiに対応するバージョンのブラウザがあり、特にスマートフォンで、PCと同等のインターネット利用を可能にさせるブラウザの開発に最も力を注いでいる。
von Tetzchner氏は「ちょうどわれわれの望んだ方向性へと、風向きは変化してきている。インターネットは変化の時を迎えている。人々は、実に様々なデバイスでインターネットを利用するようになってきており、PCのデスクトップとは異なるものを求めているという点で、インターネットはわれわれの方向に変わりつつあるのだ」と述べている。PCおよびモバイル端末向けのアプリケーション開発は、ブラウザさえあれば、どのデバイスでも利用できるウェブベースのアプリケーションへと、ますますシフトしてきており、まだこの状況は、スマートフォン業界では十分に普及した概念であるとはいえないものの、Operaのような企業にとって、注目できる時勢になってきた。
Opera Linkは、通常PCでチェックしているウェブページをすべて、モバイル端末からもチェックしたいと考えているユーザーを支援することを目的としている。長いURLを小さなキーボードで入力する必要はないし、モバイル端末のブックマークに大量に保存しておく必要もない。「del.icio.us」のようなソーシャルブックマーキングサービスとは異なり、ブックマークを確認するために別のウェブページへアクセスする必要はない。Opera Linkサービスにサインアップするだけで、同社サーバに保存されたブックマークに、PCや携帯電話のOperaブラウザから直接アクセスすることができる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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