KDDIは9月27日より、ネットワーク経由で配信した映像コンテンツを直接DVDに書き込むPC向けセルDVD映像配信サービス「DVD Burning」の提供を開始する。
ストリーミング、ビデオオンデマンド(VOD)など従来のネットワーク経由映像配信とは異なり、あくまでDVDへの書き込みを前提としている点が特徴。KDDIでは、同日オープンが予定されるポータルサイト「au one」主要サービスのひとつとして期待しており、サイトの盛り上げとともにセルDVD市場の拡大を狙う。
コンテンツはワーナーブラザース、吉本興業など国内外主要コンテンツプロバイダー計60社が1000本程度の作品を提供。市販作品や新作に加え、販売終了ソフトや未発売ソフトも提供される予定で、年度末には5000本程度まで拡充する。
1本あたりの単価は500円〜2000円程度で、入会金、年会費は無料。プレス、パッケージ、流通など通常販売時におけるコストを削減できるため、「市販DVDよりも廉価で提供できる」としている。オープン記念キャンペーンとして新作を1980円で提供するワーナーブラザースは「(パッケージ作品より)2〜3割程度安価」としており、新たな販路確保による販売増に期待を寄せている。
サービス面でもチャプター、字幕などセルDVD同等の機能を有しており、画質ビットレートも「基本的にはセルと同等レベル」(KDDIコンテンツ・メディア本部メディアビジネス部映像サービス企画グループ課長の大槻健一郎氏)としている。パッケージ写真やディスクプリントなどのセル特典は未対応だが、将来的に何らかの形で提供することも視野に入れているという。
著作権保護技術には、BS/地上デジタル放送のコピー制御にも用いられているCPRM(Content Protection for Recordable Media)を採用。回線はオープンで、ブロードバンド回線を有するユーザーであれば誰でも使用できる(実測6Mbps以上の環境が必要)。
コンテンツ取得にかかる時間は、回線速度20Mbps、DVD-RWの書き込み速度2倍の場合、約2時間の映画作品で30分程度。回線速度および書き込み倍速があがれば15分以下程度まで短縮できるという。端末は現状、PCのみとなっているが、2008年5月ごろを目処に専用のDVDレコーダ発売を予定しており、東芝と協議中という。
KDDIコンシューマ事業統轄本部コンテンツ・メディア本部長の園田愛一郎氏は、新サービスについて「ユーザーにとって新たな視聴スタイルを提供するとともに、コンテンツ提供者に対しては新たなマーケットを創出することになる」と説明。会見に同席したワーナー エンタテイメント ジャパンのジュリアン・ライハン氏も「ユーザーにとって革新的なサービス」と評価した。
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