何者かがVillage Peopleのヒット曲「YMCA」にアドルフ・ヒットラーが踊っている映像を合成して、そのクリップをYouTubeに投稿した。現在、Village Peopleの楽曲の著作権を所有する企業がYouTubeを相手取った訴訟の準備を進めている。
ウェブ上に掲載された海賊版のコンテンツを追跡して除去する会社、Web Sheriffの社長であるJohn Giacobbi氏は、YouTubeに対して500件の削除依頼を送ったと述べた。しかし、ビデオが削除されるたびに誰かほかのユーザーが別のコピーをアップロードする。Giacobbi氏は、TouTubeには著作権で保護されたコンテンツについてもポルノと同様にこれをスクリーニングできる能力があるはずだと考えている。
問題のビデオは、ヒットラーと他の有名なナチ党員が、Village People(70年代後半に全米で博したアーチストグループ)の最大のヒット曲である「YMCA」に合わせて歌って踊っているかのように見えるように編集されている。Giacobbi氏とVillage Peopleにとってさらに厄介なのは、これをまねしたビデオが出現していることである。多くのビデオは同じヒトラーの映像を使用しているが、Village Peopleの別の楽曲と合成している。
「非常に不適切なビデオである」とGiacobbi氏は言う。「この楽曲の作者がいずれもユダヤ人だったことを考慮するべきだ。面白くも何ともない。ばかげているし、人を傷つけるものだ」
英国に本社があるWeb Sheriffは現地時間9月13日、ミュージシャンのPrinceの代理としてYouTube、eBayおよびPirate Bayに対して民事訴訟の準備をしていると発表して注目を集めた。この訴訟でPrinceは、YouTubeがユーザーに対して著作権の侵害行為を奨励していると批判している。
YouTubeは米国時間9月13日、Princeの批判に対して、同社は著作権所有者ときわめて良好な関係を維持していると述べた。
「ほとんどのコンテンツの所有者は、当社が著作権を尊重していることを理解している」と、YouTubeの主任弁護士のZahavah Levine氏は電子メールで述べている。「われわれは日々、彼らのコンテンツ管理の支援のために努力しており、最新のツールを開発してその管理作業をさらに改善しようと努めている」
9月は、YouTubeの関係者が著作権で保護されたコンテンツをサイトで表示できないようにブロックする新しいフィルタリングシステムをリリースすると発表した月だ。2007年にViacomによって提訴された別の著作権関連の訴訟でYouTubeの代理人である弁護士はつい先頃、システムは9月頃に完成する予定だと判事に述べていた。
Village Peopleの楽曲の著作権所有者であるCan't Stop Productionsの関係者にコメントを求めたが連絡が取れなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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