経済産業省関東経済産業局が推進する産業クラスター計画の一環で「第3回JAPAN CREATORS'S NETWORK」(首都圏情報ベンチャーフォーラム主催)が7月4日、都内で開催され映像クリエイターら50人程度が参加した。今回は、10月に開催される「東京コンテンツマーケット2007」の概要紹介などのほか、インターネット動画サービスを実施する事業者4社の担当者によるパネルディスカッションを実施。動画コンテンツの最新動向や今後の展開についてそれぞれの考えを示した。
パネルディスカッション「動画コンテンツにおけるメディア最新事情」に参加したのは、「BIGLOBE」(NECビッグローブ)、「FLUX」(バイアコム インターナショナル ジャパン)、「ワッチミー!TV」(フジテレビラボLLC)、「eyeVio」(ソニー)の4サイト。モデレータは、デジタルコンテンツのコンサルティングなどを行うメディアラグの藤井雅俊氏が務めた。
フジテレビが運営する「ワッチミー!」の時澤正氏は、事業目的について「(テレビの)マスメディアサービスだけではできない、細かな視聴者ニーズに対応するため」と説明した上で、YouTubeとの違いについて「ユーザーと『編集部』の共同作業によって投稿された映像をプロデュースしていく点」と述べた。
配信する動画への課金など、サイトのBtoCビジネス展開については「長い視点が必要」(NECビッグローブ・久保真氏)と全体的に慎重な構え。その中で「注目したクリエイターをフューチャーすることでチャンスを広げてもらう」(ソニー・本間毅氏)、「サイト上で課金するのではなく、人気コンテンツをテレビ、映画、DVDに移行させることでブレイクを目指す」(フジ・時澤氏)など、投稿クリエイターがビジネス展開するための方向性を示した。
投稿クリエイターに求める内容としては「期待しているのはオリジナリティ」(久保氏)、「どんな作品がヒットするのかは予想できず、すべてにウェルカムの姿勢」(時澤氏)など、撮影方法などに細かい条件を設けず、内容面で勝負する姿勢を促した。その上で、放送事業者の視点からコンテンツを分析する時澤氏は「お笑い系に走るクリエイターは多いが、ここで放送コンテンツを超えるのは難しい。放送とかち合わない細かな情報系コンテンツなどにチャンスがあるのでは」とアドバイスを送った。
FLUXの村山太氏は、これまでの実績と自社の強みから「我々と二人三脚で成長し、世界に発信できるコンテンツ制作を目指す」と独自の視点を紹介。人材発掘においても一般投稿に頼らず、自らが出向いて優れた人材を確保する方式を採用するなど専属クリエイターの育成に力を注いでいるという。
今後の展開については、全体的に発展を期待しつつも「現在はPC視聴を中心と考えているが、端末の多様化に応じてその時その時のメジャーな端末をベースとしたコンテンツを提供していく必要がある」(時澤氏)など、状況を見極めた対応が必要とした。「Second Life」など3Dオンラインバーチャルスペースについては各社とも高い興味を示し、ニーズを捉えながら対応を進めていく考えを示した。また、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPS3向けにリアルタイムオンライン3Dネットワークコミュニティ「Home」の導入を発表したことを受け、「eyeVioとしても積極的に(Homeを活用した)展開を追及していく」(本間氏)とした。
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