日立製作所は6月7日、携帯電話のGPS機能を使って、ユーザーが自由にスタンプラリーを作れるサービス「ittemia」を開始した。ユーザーは自分のお勧めの場所をツアーにして紹介したり、参加者としてほかの人が選んだ場所を巡ってコメントをつけたりできる。
ユーザーは地図上に目的地を設定して、同社が「おでかけミッション」と呼ぶスタンプラリーを設定する。地図データはアルプス社より提供を受け、APIを活用してサービスを開発したという。
登録されたスタンプラリーは会員であれば誰でも参加できる。設定された目的地に実際に足を運び、その場で携帯電話からGPS情報を送信すると、その場所に行ったとみなされる。GPS情報送信時には簡単なコメントをつけることも可能だ。すべての目的地を訪れると、スタンプラリーをクリアしたとみなされ、ユーザーの個人ページに記録として残る。
利用料金は無料。ただしサービスを利用するには会員登録が必要となる。また、スタンプラリーに参加するにはGPS機能を搭載した携帯電話が必要だ。
ittemiaを開発した日立製作所の先端情報システム研究開発本部 先端ビジネス開発センタ 主任技師の武田景氏は開発の経緯について、「携帯電話のGPS機能はこれまで周辺情報を知るために使われることが多かったが、そうではなく、『その場所に行った』という証明として使ったら面白いのではないかと考えた」と話す。
目的地のページでは、到着したユーザーとそのコメントが順番に表示される実況中継機能や、ページを閲覧したユーザーが自由にコメントを書き込めるコミュニケーションボード機能がある。これにより、ユーザー間のコミュニケーションを促す狙いだ。
ittemiaは試験的なサービスという位置づけで、現時点で具体的な収益モデルは描いていないという。武田氏は「ネットの“あちら側”と“こちら側”が交わるところにこそ、本当に新しいサービスは生まれる」と考えており、携帯電話やGPSを使ってネットとリアルを融合させることを狙っている。
目標会員数は2008年3月末で30万人。今後はユーザーの反応を見ながらさまざまな機能を追加していく考えで、「Wikiのように複数のユーザーが共同でスタンプラリーを作れるようにしたり、ブログパーツを提供したりしていきたい」(武田氏)としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス