マサチューセッツ州ケンブリッジ発--IBMは米国時間3月28日、ソーシャルネットワーキングを利用することで、企業の製品開発の能率をあげることを意図するコラボレーション戦略を発表した。
「Innovation Factory」は、IBMの研究部門が利用しているソリューションで、同社によれば、ソーシャルネットワーキング技術を使うことで企業の迅速な立案や新製品およびサービスのテストを助け、これまで数年間かかった製品開発プロセスを数日間にまで短縮させるものだという。
「IBMは、われわれが研究所で利用していることを公開していくという、新たな方針を推進する」と、IBMフェローであり、IBM Researchで協力的ユーザー体験担当ディレクターを務めるIrene Greif氏は記者会見で語った。
IBMでは社内で協力し、APIを共有し、研究が進められている内容に関して知識を増やすため、従業員はWeb 2.0技術を使ったツールを「Lotus」の一部として、また単体のアプリケーションとして利用しはじめている。
Lotusソフトウェアの開発および技術サポート担当バイスプレジデントのAlistair Rennie氏は、次世代の同僚たちに遅れをとらないためにこうした変化が必要なのだと説明した。
「学校を出て職場に入ってくる人々は、現代的なコラボレーションツールが使えるものと考えている。われわれの世代なら電子メール、現在の大学生ならインスタント・メッセージング(IM)、高校生となると、Web 2.0式のソーシャルネットワーキングは使い慣れたものになっているだろう」とRennie氏は言う。
Rennie氏の考えは今回示された多くのLotus製品に反映されており、そのうちのいくつかは、1月に開催されたLotusphereカンファレンスにおいて発表されたものだった。
「きわめて応用的でユーザー向きの共同研究は、オープンで、顧客やエンドユーザーの近くにあらなければならない。なぜなら、広範に採用されているものは常に、大抵われわれが研究所の中で見ているものすぐ後にあるからだ」(Greif氏)
Greif氏によれば、社内の研究に割り当てられている資金はあるが、大部分のプロジェクトは、他のグループとの共同プロジェクトとして資金を得ているだけなのだという。
このため、多くのプロジェクトが「とにかくやってみよう」という形で取り組まれ、それから、これをIBMの製品グループや提携企業に売り込み、以後の開発を進めるための資金を獲得すると、Greif氏は語った。
オープンなコラボレーションへの回帰は、こうしたプロセスに役立つとともに、IBMの顧客に開発中のソフトウェアを提示する場ともなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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