このような痛烈な攻撃は、反Google連合の足場作りには役立つかもしれない。出版社や全米作家協会だけでなく、AFPはGoogle Newsについて、また、Perfect 10も自社のアダルト画像をインデックス化したとしてGoogleを提訴している。また、American Society of Media Photographers(ASMP)、米国映画協会(MPAA)、全米レコード協会(RIAA)、そして米国音楽出版社協会(NMPA)がPerfect 10支持とGoogle不支持を表明し、既に法廷助言書を第9巡回区連邦控訴裁判所に提出している。
注目すべきは、RIAAとMPAAが2006年半ばには既にこのような立場を取っていたことだ。これは、GoogleがYouTubeを買収し、適法性があいまいな膨大な数のビデオクリップが同サービスで配信される前のことである。それ以降、News Corp.やNBC Universalなどの大手メディア企業が、海賊版を阻止する適切な処置を執らないとし、YouTubeを厳しく非難してきた。2月には、ViacomがYouTubeに対し、MTV、Comedy Central、およびVH-1などの海賊版の映像を削除するよう要求している。
一方のGoogleは、一切の違法行為を否定している。同社は6日、法務部門トップのDavid Drummond氏の声明を出し、「検索エンジンや、Google Book SearchおよびYouTubeなどの目標は、あらゆる規模のコンテンツ制作者からの情報をユーザーが見つけるのを支援することだ。われわれは、国際著作権法に準拠しながら支援を行っており、結果的には露出が増え、多くのケースではコンテンツの著作者、出版社、および制作者の収益が増加している」と述べている。
著作権を巡って今週行われたGoogle攻撃は、6年前のMicrosoftによるフリーソフトウェア批判を思い起こさせる。同社は当時、共同創業者のBill Gates氏が、ほかのソフトウェアを食い物にする「パックマンのような性質のもの」とGNU General Public License(GPL)を表現した。Microsoftはほかにも、GPL関連ソフトウェアを「ウイルス」と呼び、「Halloween」と呼ばれるドキュメントではLinuxがWindowsの主導権にとって深刻な脅威になると注意を呼びかけていた。
Microsoftもメンバーに名を連ねるAssociation for Competitive Technology(本部:ワシントンDC)の会長Jonathan Zuck氏は、Rubin氏のコメントが反Googleロビー活動や反Google連合の確立につながるとは思わない、としている。
Zuck氏によると、むしろ、著作権保護に賛成の立場を取るのは、実際の法律よりも効力のあるMicrosoftの戦略の一環だという。例えば、Microsoftのメディアプレーヤー「Zune」は、顧客が音楽ファイルを共有できるようにする高度な無線機能を搭載する。しかし、ファイル交換後3日経過すると、元のファイルが著作権法で保護されていても著作権が消滅しても、それを再生することはできなくなる。
同様に、Microsoftは自主的に、高度なデジタル著作権管理(DRM)技術を新しいOS「Windows Vista」に完全に組み込んでいる。これは、Blu-rayやHD DVDのソースをはじめとする「プレミアムコンテンツ」の保護を強化するためだが、過度に制限が厳しいとして暗号技術者から痛烈に批判されている。
Zuck氏は「Googleは、著作権に対してかなり無頓着な態度を取ることで、自らを格好のターゲットにしてしまった。これらの訴訟が進行して行けば、Googleが頭を下げ、コンテンツ業界に対して低姿勢で話し合いを求めてくるのは容易に想像できる」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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