Googleは先週、スイスにおいて「Gmail」の商標を単独で使用する権利を主張した裁判に敗れたが、その判決は同国における同社の電子メールサービス名の変更を強制するものではないと述べた。
チューリッヒ商業裁判所は現地時間2月19日、ドイツのベンチャーキャピタリストDaniel Giersch氏が登録する商標をめぐる訴訟において、Googleの主張を棄却した。Giersch氏は、「G-mail」(「Giersch mail」を短縮したもの)という名称の電子郵便配信事業をドイツとスイスで展開している。
カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするGoogleは、Giersch氏が商標登録した名称は混同を招くと主張したが、スイスの裁判所の同意は得られなかった。これに対し、Googleは控訴する予定である。
Google関係者によると、今回の判決は、GoogleがスイスにおいてGmailというサービス名称を使用することを禁止するものではないという。Giersch氏もGoogleもスイスにおける同名称の商標権を2005年に取得したが、Giersch氏の商標申請がGoogleよりも数カ月早く、両者とも商標権を所有している状態であるという。
このような状態が生じているのは、スイスでは商標を認可する前にその商標名が登録されているかどうかを確認しないためである。GoogleのシニアトレードマークカウンセルであるRose Hagan氏によると、スイスではその商標が単独で同国の基準を満たしているかどうかを確認するだけだという。その後、同じ商標名に対し異議を申し立てたければ訴訟を起こしてもよいことになっており、Googleはそれを選んだことになる。
Hagan氏は23日、電話インタビューに応じ、判決は「われわれの商標を使用する権利に対して何ら影響を与えるものではない。したがって基本的には、われわれは元の状態に戻っただけである」と述べた。
しかしGiersch氏は、同判決により再び自分が勝利したと考えている。同氏は2006年、同氏が2000年に登録したドイツにおける商標に対しGoogleが起こした訴訟ですでに勝訴している。Googleはこの訴訟に敗れた後、同社のメールサービスの名称を「Google Mail」に変更することに同意した(同社は2005年、英国における商標をめぐる紛争を避けるため、英国での同社のサービス名称も変更している)。
Gmailという商標をノルウェーとモナコでも登録しているGiersch氏は電子メールでのインタビューに応じ、「Googleに対して勝訴した回数が、どちらが正しくどちらが誤ってるかを明確に表している」と述べた。
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