角川グループホールディングスは2月中旬より、PtoP技術を使った映画配信に乗り出す。同社傘下の角川ヘラルド映画が所有する映画作品を米BitTorrentに提供する。
第1弾はホラー映画の「リング」シリーズや「着信アリ」など。課金はクレジットカードによる決済で、コンテンツにより1)視聴期間に制限のないダウンロード販売、2)視聴期間が限定されているビデオオンデマンド(VOD)方式、3)視聴回数が1回のみのVOD方式、4)広告付きの無料配信の4種類がある。収益はBitTorrentと角川グループホールディングスが分け合う。
BitTorrentはPtoP技術「BitTorrent」を使って映像やソフトウェアなどを配信する企業。BitTorrentは自社サイトで専用ソフトを無償配布しており、Operaブラウザの最新版にも基本機能の1つとして搭載されている。
PtoP技術を使って映像を配信することで、配信事業者にとってはサーバや通信回線に大きな負荷がかからないというメリットがある。米国ではWarner Bros. EntertainmentなどがBitTorrentに映画作品を提供しているが、日本の大手映画会社では角川グループホールディングスが初となる。
BitTorrentに映画作品を提供する理由について、角川グループホールディングスでは「ブロードバンド環境が整い、今後はVODなどの映像配信市場が大きくなると考え、さまざまな方法を検討していた。米国の大手映画会社もBitTorrentで映画を配信しており、パートナーとして魅力的だと考えた」と話す。
配信地域は北米のみ。BitTorrentはユーザーが登録したクレジットカード情報、接続PCのIPアドレス、PCの時計のタイムゾーンの3つを使って配信地域を限定しており、北米以外での視聴はできないようになるという。日本でのサービスは未定だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」