米国時間11月27日に雑誌Fortune(オンライン版)が報じたところによると、iTunes Storeを運営するApple ComputerとBeatlesの楽曲を管理するApple Corps.とが、同グループの楽曲のオンライン販売をめぐって話し合いを進めているという。この協議が成立した場合、Beatlesの楽曲がiTunes Storeにおいて期間限定で販売されるほか、iPodのコマーシャルへのBeatles曲の利用や、U2の前例にならってiPodのBeatlesモデルが発売される可能性もあると上記記事は伝えている。
現時点で両社からのコメントは得られていないと同記事には書かれているが、ただし今月はじめに米サンフランシスコで開催されたWeb 2.0 Summitにおいて、Beatlesの楽曲を販売するEMI MusicのVice Chairman、David Munns氏が、「Beatlesの楽曲がまもなくWeb上に登場する(Beatles songs would be "coming soon" to the Web.)」と発言していたことが、Barron'sのブログなどを通じて報じられていた。
Apple ComputerとApple Corps.とは、リンゴのロゴやBeatlesの楽曲利用をめぐり、過去20年以上にわたって何度か法廷での争いを繰り返してきた間柄。そのため、上記のFortune誌記事は、両社の協議がまとまれば「ニクソン(元米大統領)−ブレジネフ(旧ソ連首相)による雪解け」に相当する出来事とのたとえを用いている。もっとも、両社の間では、楽曲の販売期間の長さや、Apple ComputerからApple Corps.へ支払うアドバンス(前払い金)の金額などについて、いまなお協議がつづいており、確実に結実すると決まったわけではないようだ。
なお、この話し合いにはApple ComputerのCEO、Steve Jobs氏も自ら関わっているということで、Apple Computer側も相当本気で交渉に望んでいるようだ。
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