サンフランシスコ発--Yahooの幹部は米国時間11月9日、同社のウェブベース電子メールプログラムへ数カ月以内にインスタントメッセージング(IM)機能を組み込む計画であることを発表した。これが実現すれば、IMアプリケーションをインストールせずに「Yahoo Mail」のなかでライブチャットが楽しめるようになる。
Yahooでコミュニケーション、コミュニティー、およびフロントドアを担当するバイスプレジデントBrad Garlinghouse氏は、当地で開催中のWeb 2.0 Summitで、Yahoo Mailに搭載予定でIMをシームレスに統合する新機能の技術プレビューを行った。
Garlinghouse氏によると、IMと電子メールを統合する背景には、Web 2.0と呼ばれるサービスの多くに欠けている「ユーザーエクスペリエンス」を全体的に改善する狙いがあるという。
同氏は、「Web 2.0アプリケーションの多くは既に死んでいると言える。だが、1つのアプリケーションとして見た場合のWeb 2.0は、消費者とわれわれ企業に素晴らしい価値を残している」と語っている。
この新機能が搭載されれば、ユーザーには相手がYahoo Mailにログオンしていることが分かり、容易にチャットできるようになる。また、「Yahoo Instant Messenger」を持っている相手のオンラインステータスも分かるようになり、彼らともチャットできるようになる。また、将来的にはMicrosoftの「Windows Live Messenger」ユーザーともチャットできるようになる。YahooとMicrosoftは、7月に両社のIMアプリケーションの相互接続を実現している。
Yahoo Mailのオートコンプリート機能を使うと、相手のオンライン状況が示され、ボタン1つでチャットを開始できるようになると、Yahooは語っている。さらに、チャットセッションのコピーを電子メールで送信したり、電子メールのコピーをチャットのウインドウに貼り付けることも容易に可能になる。
Yahoo Mailユーザーは、数カ月以内にはこの組み込みのIM機能を利用できるようになるだろうと、Garlinghouse氏は語っている。Yahoo Mailでは既に、Yahoo Messengerの相手がオンラインになったことを知らせ、即座に会話を開始できるようになっているが、それにはユーザーがIMクライアントをインストールしておく必要がある。
Googleは、2006年に入ってからGmailにチャット機能を追加しているが、その使い勝手は新しいYahoo Mailの機能ほど統合されているように思えない(Yahooの技術に関するほかの論評についてはCNET News.comの姉妹サイトであるWebwareを参照)。
AOLもMicrosoftも自社の電子メールプログラムにチャット機能を統合していないが、Hotmailでは、MSN Messengerクライアントを使う相手がオンラインになると、それが分かるようになっている。一方、主要IMアプリケーションはいずれも電子メール機能を統合している。
Garlinghouse氏によると、Web 2.0アプリケーションは、必ずしも技術に精通しているとはいえないエンドユーザーを念頭に置いて設計すべきだという。
同氏によると、今のところ、Web 2.0アプリケーションは「影響力のあるIT業界人用」に限定されたものだという。
同氏は、「物事をどのようにしてソーシャルにし、人を中心に考えるための手法がWeb 2.0だ。技術仕様は製品の成功にとってほとんど意味をなさない」と語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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