Microsoftは米国時間11月6日、ダウンロード可能な新しいブラウザアプリケーションをリリースした。同社のオンライン地図および地域検索サービスに、写実性とゲームのような操作性を加えるものだという。
Microsoftの「Live Search」の一部として発表した「Virtual Earth 3D」では、街の上空やビルの隙間を「飛ぶ」体験ができる。ちょうど、オンライン3D世界「Second Life」などの仮想現実世界の中で、そうしたことが可能なのと同じようにだ。もっとも、Microsoftのインターフェースにはアバターは設置されていないし、描き出される建物や道路、地図上の目印は、ファンタジー物語に基づいた仮想コミュニティではなく、本物の都市の景観をなぞったものである。
しかし、Virtual Earth 3Dの構成要素は、すべて現実世界に存在するものばかりとは限らない。Virtual EarthグループのゼネラルマネージャーStephen Lawler氏によると、ビルの上には「仮想広告看板」が浮いており、試験的な広告プログラムの一環として使用されるという。例えば、サンフランシスコ市街地にあるAMC映画館の上空には、Foxの仮想看板が浮かぶことになる。このほか、Nissan Motor、Zip Realty、John L. Scott Real Estateなどが広告主に名を連ねている。
仮想看板には企業の広告が順番に表示され、ユーザーがこれをクリックすると、広告主のウェブサイトが表示される仕組みだ。いずれは、ユーザーの検索などをもとにして、こうした広告のターゲットを絞り込んでいきたいと、Lawler氏は説明した。
仮想看板方式の登場によって、オンライン地図広告の現状は一変するだろう。現行のほかの地図サービスでは、地図の片側にテキスト広告を表示したり、ポップアップウィンドウもしくは吹き出しの中に広告を表示したりするのが一般的だ。
仮想看板機能は、Microsoftが2006年5月に買収を発表した、ゲーム内広告企業Massiveの技術を利用している。デザイナーはMassiveの技術を用いて、あらゆる3D環境内の表面上にグラフィックを展開できる。
写真測量技術、画像、リモートセンシング技術を専門とするVexcelの買収によって取得した技術および専門知識を活用し、Microsoftは実物そっくりの街を再現することができた。なお、Microsoftは同社の買収を3月に明らかにしている。
Lawler氏は、「正確かつ精密なエンジニアリングを利用して、きわめて写実的な都市を作り上げた。画像の収集には、街の上空に飛ばしたVexcelの空中カメラを使用している」と述べ、各建物を手作業で描画するのではなく、「エンジニアリングからプロダクションまでを一本化し、高度に自動化」した仕組みを取り入れていると話した。各プロセスの自動化により、これまで100万ドル以上かかっていた3D環境構築コストは数十万ドルにまで下がると、Lawler氏は述べている。
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