Googleが有名なビデオクリップの制作者と画期的な契約を結び、広告収入の配分を始めた。これにより、最近注目を集めるビデオ共有サイトの分野において、競争コストが上昇する可能性がある。
検索エンジン企業であるGoogleは、「The Diet Coke & Mentos Experiment」の作者であるFritz Grobe氏およびStephen Volts氏と、最新の映像から得られた広告収入の多くを支払う契約を結んだ。Google VideoのシニアプロダクトマネージャーであるPeter Chane氏が明らかにした。
その代わりGrobe氏およびVolts氏は、Googleが2人の最新ビデオである「Diet Coke & Mentos Experiment II」をホストすることを許諾する契約を結んだ。両氏は、101本の2リットルDiet Cokeと523個のmentosを使ってラスベガスのべラージオホテルにある大噴水を模したオリジナル版のビデオを作成し、2006年夏に大流行させた。
これまで、ほとんどのビデオ共有サイトに掲載されているアマチュアが製作した素材は、楽しみのために作られていた。しかし、才能のあるビデオ制作者を招き入れ、ビデオクリップから得られた広告収入を配分することは、ビデオ共有サイトの未来を作る1つの方法かもしれないとアナリストは言う。ビデオ共有サイトのトップ10に入るMetacafeも米国時間10月30日、ビデオ制作者に対して1000回の試聴につき5ドルを支払うと発表している。
評論家は、多くのビデオ共有事業を行っている企業は利益を上げておらず、それらの企業のコスト構造ではネットワーク接続の帯域に多額の費用がかかることなどから、広告収入を配分するのは難しいだろうと指摘する。一方、ビデオ共有サイトであるRevver.comの試みは、ビデオ制作者に利益配分をすることが才能のある人物を惹きつけることを示している。ロサンゼルスに本拠を置く企業であるRevverは広告収入の50%を映像作家に支払っており、ウェブ上で活躍し、人気を博す一部のビデオ撮影者を惹きつけている。これには、ティーンエイジャーの女の子を題材とした、人気のフィクションビデオシリーズ“Lonelygirl15”のプロデューサーなどが含まれている。
Revverは視聴者が才能のあるビデオ制作者を追っていくことに賭けている。資金の豊富なGoogleも、同じ賭けに出てきたように見える。
「これはGoogleがビデオコンテンツと広告を調和させようとする最初の試みだ」とChan氏は述べた。「われわれは、現在プロのコンテンツではないと考えられている、ユーザーが発信した素材を取り上げて、これを金銭に換えていこうとしている」(Chane氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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