新興企業のFlockは、社名と同じ名称のブラウザ「Flock」のバージョン1.0を、2006年の秋にリリースする予定だ。このブラウザは、ウェブサーフィンにソーシャルネットワーキングを組み合わせることができる。
オープンソースブラウザ「Firefox」をベースに開発されたFlockの機能は、いわゆる「Web 2.0」サービスの共通テーマである共有とコミュニケーションに焦点を絞っている。同ブラウザは、「Flickr」や「del.icio.us」といったWebサービスとの連携を強化する方向で改良が進められている。
無料ブラウザのFlockには、画面の上部に「Photobar」があり、横一列に写真が並んでいる。このPhotobarに、写真共有サービスを利用している友人の画像ページを登録しておくと、友人がページを更新するたびに、Photobarから新しい写真を閲覧できる。画像をPhotobarにドラッグ&ドロップして、写真共有サイトにアップロードすることも可能だ。
カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くFlockの最高戦略責任者(CSO)、Geoffrey Arone氏は、いささか停滞気味のブラウザの世界を活性化することを目標に、同社は1年半ほど前に設立されたと、米国時間8月2日に語った。
Mozilla FoundationのFirefoxブラウザは、大勢のユーザーを獲得しているが、タブブラウザ機能をのぞけば、実際の使用感は旧来のブラウザとそれほど変わらない、とArone氏は指摘する。
「どのようなブラウザを開発すれば、ユーザーがオンライン参加をよりよいものにするうえで役立つか、われわれは調べてみることにした」とArone氏。
Arone氏によると、Flockは人気のブログサービスとリンクしているという。それにより、同ブラウザのRSSリーダーからニュース記事を読んだり、マウスを1回右クリックするだけでその記事に関するブログを投稿したりできる。
そのほか、デスクトップ検索と「Yahoo Search」によるウェブ検索を同時に実行できる機能もある。また、ブックマークを共有したり、コンテンツをブラウザ画面最下部の「Web Clipboard」に保存することもできる。
「これらが組み合わされた(機能強化の)体験は、ウェブ消費のライフサイクルに貢献する--それにより人々は、新しいコンテンツの発見と創造、コンテンツの消費と共有が可能になる」と、Arone氏は語る。
Webサービスとの緊密な統合は、同社の収益モデルの基盤にもなっている。
たとえば、Flockから検索が行われた場合は、同社と検索プロバイダが売り上げを分け合い、ユーザーが「Amazon.com」から商品を購入した場合は、同社と売り手が売り上げを分け合うことができる、とArone氏は説明する。
2005年10月にFlockのベータ版を初めてリリースしたとき、Flockはメディアに大々的に取り上げられたが、製品に十分な安定性がないため、ユーザーから否定的な意見も寄せられた、とArone氏は振り返る。
リリース後のフィードバックを受けて、同社は開発プロセスを見直し、顧客にさらに意見を求めざるを得なくなったという。
「かつてわれわれは、夢のようなアイデアと崇高な野心をあれこれ抱えていた。だが、焦点の定まらない革命は、混乱を招くものだ」と、Arone氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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