デジタル音楽配信分野を独走するAppleに対抗して、Amazonが同社のサイト上でビデオのダウンロード提供を始めることになった。
消息筋の話によると、オンライン小売企業Amazonは8月から、長編映画やテレビ番組の全編をウェブ経由で配信する新サービス「Amazon Digital Video」を開始するという。
同消息筋は、米国時間7月23日付の「Advertising Age」で報じられた今回のニュースの信憑性を認めている。業界新聞であるAdvertising Ageには、シアトルに本拠を置くAmazonが2種類のダウンロード方法を用意していると記されていた。1つ目の方法は、一定期間中のビデオ視聴に定額料金を課すサブスクリプションサービスで、もう1つが1視聴ごともしくは1作品ごとに料金を徴収するタイプのサービスだという。
Amazonの経営陣がダウンロードサービスの構想を練り始めた1年前には、同サイトの核は音楽配信になる予定だった。だが、デジタル音楽配信分野におけるApple Computerの支配力が非常に大きくなったため、Amazonはビデオ配信にその焦点を切り替えた。
Amazonの関係者は、今回の報道に対するコメントの提供を拒否している。
インターネットを経由した書籍や音楽、映像の提供と言えば、かつては真っ先にAmazonの名前が挙がったものだが、現在ではAppleがデジタル音楽のダウンロードサービスで勇名をはせている。いまだに多くの人々がCDを購入して聴く方を好んでいるが、注文したアルバムが郵便で届くのを待つよりも、ウェブ上で楽曲をダウンロードし、すぐに視聴を始めたいと考える人も増え続けている。
もっとも、映像配信に着手したのはAppleが先だ。同社は2005年10月、「Lost」や「Desperate Housewives」といったテレビ番組の提供を開始し、今ではビデオダウンロード販売数は3500万件におよんでいる。いくつかのメディア販売店によれば、Appleは近々長編映画の提供を始めるための準備に取りかかっているいう。
最近では、映画製作会社やテレビ局が、みずからのコンテンツをさまざまなウェブサイトに委譲するようになっている。例えば、Warner Bros. Entertainment Groupは先日、映像共有サイトの「Guba」やファイル共有システム「BitTorrent」と提携した。Sony Picturesも、サンフランシスコに拠点を置くGubaと契約を結んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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