KDDI、KDDI研究所、NHK放送技術研究所の3者は5月17日、携帯電話向け放送型サービスに適用可能なコンテンツ保護技術を共同で開発したと発表した。
放送型サービス(リアルタイムのストリーミング配信)では、著作権保護の観点から、コンテンツ保護技術が重要となる。今回の開発では、KDDI研究所が開発した、処理負荷が軽く、高速に暗号復号処理が可能な「K2」と呼ばれる暗号方式を採用した。KDDI研究所によれば、K2は現在W-CDMAなどの標準暗号化アルゴリズムとして使われている「KASUMI」よりも約40倍高速で、5Gbps程度の動画をリアルタイムに暗号化できるという。また、使用メモリが小さい点が特徴で、試験端末を利用して実験したところ、416kbpsの動画を暗号化した際のCPU使用率は1%未満だったとのことだ。
3者は携帯電話機にK2の復号機能を実装することにより、携帯機器の限られた計算処理能力の中で暗号復号が可能なコンテンツ保護技術を実現した。
利用者は、K2によって暗号化されたデジタルコンテンツストリームに対し、携帯電話の通信機能を使って取得したライセンス(暗号鍵)を使って暗号を復号することにより、コンテンツを視聴できる。
K2を利用することで、コンテンツの保護だけでなく、利用者に視聴選択をさせた上でさまざまなコンテンツを提供するなど、放送型サービスの視聴スタイルの多様化を図れるとしている。ただし、今回の技術はワンセグ向けに開発したものではないといい、企業のストリーミング配信サービスなどでの利用を想定しているようだ。
なお、今回開発したコンテンツ保護機能を搭載したデジタルテレビ放送受信携帯電話機は、5月25日〜5月28日に開催されるNHK放送技術研究所の一般公開において展示される。
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