ネバダ州ラスベガス--消費者同様、テレビ放送局も高品位(HD)テレビのコストを懸念している。
32インチ液晶テレビを購入する消費者側は、1500ドル超の価格だけを気にすれば済む。だが、規模の小さい制作会社や独立系のテレビ局は、8万ドルの値札が付くHDカメラの心配まで必要になる。
米連邦政府は、放送局に対して3年以内にデジタルテレビ放送に移行するよう要請しており、規模の小さい制作会社、公共放送局、そして大学の通信局などは、今週当地で開催中の電子メディアカンファレンス「NAB 2006」の会場に大挙して訪れている。彼らは、新しいHD機器への投資やアップグレードをさらに1年先延ばしにできる技術を探そうと同カンファレンスを訪れている。
一方、デジタルツールをテレビ制作業界に提供するソニー、Avid、およびApple Computerなどの企業各社は、旧式のモデルやフォーマットと互換性のある低価格の機器やソフトウェアを発売し、保守派のテレビ業界幹部らをHDに徐々に慣れさせようとしている。しかしながら、技術、価格、そしてHDコンテンツに対する一般視聴者の願望に疑問が多く残る現状ではHD戦略を立てるのは難しいと、放送局各局は語る。
VideoDailies(本社:イリノイ州シカゴ)のゼネラルマネジャーScott Jacobs氏は、「14万人の来場者がいて、全員がHDへの対応方法を探し求めている。選択肢や代替製品は多いが、明確に決まった手法はない」と語った。VideoDailiesは、ビデオテープを24時間以内にデジタル化するというサービスを提供する新興企業。
一般消費者と異なり、テレビ局各局はHDに関する判断を先延ばしすることができない。
Bush大統領は2006年2月、地上波放送局は送信するテレビ信号を2009年2月17日までにアナログからデジタルに切り替えなくてはならない、とする要請を法制化した。この期限は、小規模制作会社の経営者はもちろん、一流ネットワークのトップらをも慌てさせた。
デジタル信号は、ケーブルであろうと無線波であろうと、アナログより大幅にクリアになる可能性を秘めている。そして、HDテレビは標準画質(SD)や高品質(ED)テレビより高く、現時点で最高の解像度を実現する。
アナログを何十年も利用してきたGeorgia Public Broadcastingの情報技術アシスタントディレクターBill Burson氏は、デジタルへの移行に向けてNABカンファレンスには1997年から出席してきた。
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