GMOがネット証券に新規参入--グーグル的な発想で差別化

別井貴志(編集部)、吉澤亨史2006年04月13日 19時05分

 GMOインターネットは4月13日、グループ会社であるGMOインターネット証券においてインターネット専業の証券サービスを開始すると発表した。4月24日から口座開設の申し込みを受け付け、5月12日より国内現物株式や制度信用取引を開始する。

GMOインターネット証券 GMOインターネット証券の代表取締役社長である高島秀行氏(左)とGMOインターネットの代表取締役会長兼社長である熊谷正寿氏(右)

 GMO インターネットの代表取締役会長兼社長である熊谷正寿氏は、「インターネット技術の発展はWeb 2.0の時代に突入したと言われている」として、その代表格であるグーグルと同じように今回の事業を立ち上げたとした。

 グーグルの特徴として熊谷氏は、(1)無料でサービスを提供していること、(2)機能を検索に特化していること、(3)API(接続仕様)を公開することで業容を拡大してきたことを挙げた。これと同様に、GMOインターネット証券も(1)低料金でサービスを提供すること、(2)余分な機能は極力省いて決済に特化すること、(3)APIを公開すること、の3点を掲げ、「ネット証券2.0時代の幕開けだ」(熊谷氏)と語った。

 インターネットによる証券取引サービスについては、これまで既存の証券会社がネット取引サービスに進出したり、ネット企業が証券会社を傘下に収めて証券業に新規参入したりすることがほとんどだった。しかし、GMOインターネット証券はGMOインターネットが一から事業を立ち上げ、100%出資の子会社として資本金4億8000万円で、2005年10月28日に設立した。これについて、熊谷氏は「証券会社が作ったネット証券ではなく、インターネットを知り尽くした我々だからこそ実現できるネット証券サービスを提供していく」と説明した。

手数料体系
注文の約定代金 手数料(税込)
〜20万円 105円
〜50万円 315円
〜100万円 525円
〜150万円 735円
〜300万円 1050円
以降、300万円増ごとに1050円加算される。銘柄について1回の注文ごとの約定金額にしたがって、指値・成行に関わらず上記の手数料がかかる。東証、大証に関する手数料で、他の取引所に関しては異なった手数料体系となる。

 その具体的な特徴としては、「安い」「速い」「凄い」「楽しい」「便利な」という5点を上げた。まず、GMOインターネット証券の代表取締役社長である高島秀行氏は「既存のネット証券が成し得なかった業務面、システム面を抜本的に見直した結果、設備や運用コストを大幅に軽減できたために手数料を業界最低水準にできた」とした。

 現在は1日あたり5万件の約定件数まで耐えられるシステムを組んでおり、その設備投資には数億円程度かかったという。この約定件数を超えなければ、当面は新たな設備投資は必要としない。手数料については、営業開始から2〜3カ月後をめどに定額制も導入する予定だ。定額制の料金体系は、顧客からの注文、取引動向などを見て判断する。

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