自宅サーバでウェブ作成サービスを無償構築--利用者を増やしアフィリエイト収入

別井貴志(編集部)2005年09月12日 21時00分

 業務アプリケーションやシステム開発などを手がけるSRAの完全子会社であるアフリエイトアド(AA)は9月12日、インターネット広告事業「ほむぺ」の自宅サーバ用ソフトウェアの無償配布を開始した。CD-ROMのイメージファイルがサイトからダウンロードできるほか、申し込めばCD-ROMが郵送で送られる。

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無償で配布される「ほむぺ」のインストールCD-ROMのジャケット。サーバ用OSから独自のアプリケーションまでを収録

 ほむぺは、SRAがこれまでに培ってきたオープンソースソフトウェアやインターネットの技術やノウハウを活用して、インターネット上に個人サーバによるネットワーク広告を構築する。具体的には、自宅に保有しているPCに無償で提供されるサーバ用ソフトをインストールして、自宅サーバにする。サーバ用ソフトは、Turbolinux 10 Desktop(体験版)とApache、MySQL、PHP、Postfixなどのオープンソース基本ソフトと、独自開発したホームページ、掲示板、ブログ、メール、チャットなどの各種作成・構築ツールで構成されている。

 この自宅サーバの保有者(サーバオーナー)は、自分でウェブサイトを作成してもいいし、第三者のユーザーを募って自宅サーバの作成ツールを利用してもらってウェブサイトを作成してもいい。携帯電話用のサイトを作成することも可能で、携帯電話からサイトを更新することもできる。こうして作成されたウェブサイトには自動的に広告が表示され、広告がクリックされた回数に応じて、AAからサーバオーナーに一定額の報酬が支払われる仕組みだ。1自宅サーバにつき、車、グルメ、パソコンなど1つのテーマを決め、そのテーマに沿った内容のサイトを作成していくことで、テーマに合わせた広告が配信される。

 サーバオーナーには、ソフトが無償で提供されるうえに、jpドメインのサブドメイン名が提供されるほか、セキュリティパッチやアプリケーションの自動更新、自宅サーバコンテンツの自動バックアップなどのサービスが無償で提供される。つまり、サイトオーナーはPCさえあればインターネット接続費用だけでこの広告ネットワークを利用できるわけだ。

 当初、自動配信される広告はライブドアマーケティングの広告となるが、将来的には物販による成功報酬も導入するかまえだ。

 アフリエイトアドの代表取締役社長である林香氏は、「実証実験した段階では100件のサーバオーナーの申し込みがあり、実際に広告を配信してこれは“いける”と判断して正式に開始した」と言う。そして、ほむぺの特徴を「自宅にPCが余っているユーザーも多いのではないか。こうした休眠PCが利用できるうえ、これまでのアフィリエイトサービスのように自分のサイトの各ページに専用タグを貼る手間がかからない。ほむぺでは、サーバオーナーのページをはじめ、オーナーのサーバに開設した他のユーザーページにも広告が自動で表示されるので、利用者が多ければ多いほどオーナーの収入が増える」とした。

 半年で1000サーバオーナーの利用を目標としており、順調に増えていけば将来的には分散コンピューティングも導入する予定だ。未知のウイルスを発見する目的などでグリッドコンピューティング環境を構築し、サーバオーナーにはCPUの使用時間による報酬の支払いなどを想定している。

ほむぺの概念と仕組み
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第三者のユーザーを集めるほどに、サーバオーナーの収入が増える可能性が高まる仕組み

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