米レコード協会(RIAA)は28日(米国時間)、ファイル交換者とみられる個人を新たに提訴した。被告には大学13校の学生も含まれる。
今回の訴訟件数は750件。ちょうどその数日前にある調査結果が発表され、RIAAの訴訟攻撃をよそに、2004年初めまでのPtoPネットワークのトラフィックは横ばい、または増加傾向にあることが明らかにされたところだった。
しかしRIAAは、iTunesやNapsterをはじめとする合法的な音楽サービスの成長の基盤づくりに、自分たちの訴訟が役立っていると語る。
「これは、合法的なサービスを成長させるために行っていることだ。違法に音楽を取得し配布する人たちを黙認するわけにはいかない」とRIAAのプレジデントCary Shermanは言った。「違法行為は処罰されるべきだ。そうしないと、違法ダウンロード行為のせいで音楽業界は存続の危機にさらされ、将来のための投資も出来なくなる」(Sherman)
KazaaやeDonkeyなどのネットワーク上でMP3ファイルが交換される割合を一挙に減らす目的で、RIAAがファイル交換者個人を著作権侵害で訴えるという戦略をとり始めてから、1年強が経過した。
RIAAの訴訟により、著作権保護されたファイルをオンラインで交換することは法的に問題であるという認識が急激に向上し、一部の報告によると、音楽ファイルを交換するユーザーの数は一気に減少したという。
NPD MusicWatch Digitalの最近の調査によると、MicrosoftやApple Computerの音楽ファイルフォーマットと比べて、ハードディスクに保存されているMP3ファイルの比率は減少しているという。アナリストによると、ユーザーは依然としてMP3ファイルを頻繁にダウンロードしているが、ハードディスクに保存するよりも削除するスピードの方が速いという。同アナリストは、これはおそらくユーザーがレコード業界の訴訟を恐れているしるしだと述べる。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のCooperative Association for Internet Data Analysisの研究者らが最近、そのほかの多数の大学と共同で、PtoPに関する調査結果をまとめた。それによると、ウェブトラフィックと見せかけたり、見つけられにくいように細工されたりしたプロトコルも含め、全てのPtoPトラフィックを分析した結果、2002年8月時点から2004年1月にかけてデータの量は減っていなかったという。
しかしこの研究で、トラフィックのパターンが変化していることが分かった。過去の調査でも示されたとおり、Kazaaが使用するFastTrackネットワークの利用はかなり減ったが、一方で、個々の楽曲よりも映画やゲームなどの大容量ファイルの交換のために広く使われているBitTorrentというプログラムの利用が、大幅に増えているという。
この調査結果についてRIAAからはコメントを得られていない。
今回のRIAAが起こした訴訟により、提訴された人の数は6191名に達した。またRIAAは、新たに213名の個人を相手取った訴訟を起こしたという。この213名は、これまで身元を特定しないまま提訴する「John Doe」訴訟の対象となっていたが、各個人の身元が、法廷での事実確認の過程を通じて明らかになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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